
(5)「最後にみんなが良かったと思える組織を作ることが責任」松下忠樹 新体制インタビュー
3年連続で日本一を争っている明大。ウイニングカルチャーが根付きつつある今、新スローガン〝One by One〟の下、目標とするジュニア選手権、対抗戦、大学選手権の3冠達成なるか。勝負の秋を占う挑戦の春、箸本龍雅主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新幹部の今シーズンに懸ける意気込みを全8回にわたって紹介します。
第5回は松下忠樹(営4=明大中野)のインタビューをお送りします。(この取材は3月23日に行われたものです)
※3月30日、関東ラグビー協会より「関東大学春季大会・オールスターゲームの中止決定」が発表されました。一部取材内容と齟齬(そご)がありますが、ご了承ください。
――最上級生になり、今の心境を教えてください。
「自分の場合は昨年から主務をやっていたので、最上級生になったからといって特に気負っている部分があるわけではありません。しかし、やはり昨年以上にチームのことを考えないといけない時間も増えましたし、マネジャーの業務もそうですけど、学生スタッフをまとめなければという責任は昨年以上に持っています。やっていることは変わりませんけど、昨年に比べれば密度が濃くなっているかなと思っています」
――昨年は3年生ながら主務を経験しました。やりにくさはありませんでしたか。
「(武井)日向(令2商卒・現リコーブラックラムズ)さんは年下だからどうとか代が違うからとかは全然なかったです。それは昨年の代の素晴らしいところだったと思いますし、スタッフリーダーの井元(優吾・令2営卒)さんも自分が『何かやりたいです』と希望を伝えると『どんどんやれ』という感じだったのでまったくやりにくさはなかったです。ただ、昨年と今年で違う部分というのは、昨年は最上級生ではなかったので、責任を取るのは井元さんであったり、日向さんでした。今年は責任の部分が増してくるので、そこが今までとは違う部分になると思います」
――昨年の反省を生かし、今年変えようと思っていることはありますか。
「昨年1番学んだのはスタッフとしてピーキングの合わせ方です。監督、コーチにもよく言われますけど、すごく勉強になったところです。学生のスポーツなので、モチベーションで結果は全く変わってしまうというところも実感できました。ピーキングの話は選手に全て共有しています。あとは個人の時間とチームの時間に時期を分けているんですけど、個人の力を強くしようという時間を例年以上に取り、チームの方はまとめて凝縮してできるんじゃないかなというような話をしています。これまで3ヵ月やってきましたけど、個人の強さ、ウエイトであったり、動きにより注力しました。そこはまず昨年と違うところだと思います。モチベーションについては何かを変えるというような話ではなくて、龍雅を中心に決めたスローガンに込めたように『一つ一つ積み上げていこう』ということだと思います。昨年の最後に敗れた経験があったからこそ、このスローガンになりましたし、学生主体で今の段階は意識付けがしっかりとできていると思います」
――今年のチームの雰囲気はいかがですか。
「もちろん学年のキャラが学生スポーツなので色濃く出ると思います。昨年、僕はチームの決定の段階にはあまり関わっていないので、何とも言えないですけど、学生主体というところは昨年以上に色濃くなっていると思います。チームミーティングの前にプレーヤーミーティングをやっています。リーダーで議題を決めて、学生のみで話をするんですけど、例えば『長期オフに入るから、長期オフはどのように過ごすのがいいんだろう』といったテーマをみんなで話しています。こういった機会は増えたので、雰囲気ではないですけど、学生からやろうというところは昨年以上に強くなっていると思います」
――箸本主将をはじめとしたリーダー陣の存在についてはいかがですか。
「龍雅はラグビーだけでなく、ミーティングなど何かを話す機会での存在感がとても大きいです。高校日本代表を率いて、高校でも日本一になって、下級生のころから試合に出てという存在感は本当に頼りになります。副将の2人は、山沢(京平・政経4=深谷)に関しては今年1番変わったかなという気がします。これまでは彼なりに考えてはいたと思うんですけど、あまり発信はしてきませんでした。ただ今年は自分からアドバイスを多くしてくれたり、チームを思って発信してくれています。片倉(康瑛・法4=明大中野)は元々熱いタイプなので、龍雅、京平とはまた少し違う立ち位置でいてくれています。入ってきてすぐの1年生は箸本や山沢といったら少し存在が大きすぎると思うんですけど、そういうところに片倉や梅川(太我・営4=石見智翠館)などが上手くコミュニケーションを取ってやってくれています」
――今シーズンの意気込みをお願いします。
「目標は日本一です。終わって今シーズン良かったなと思えたら、自ずと結果は付いてきていると思います。そのような組織づくりをしなければいけないポジションにいるので、最後ですし、楽しんでやれればなと思います」
――ありがとうございました。
[上松凜助]
◆松下 忠樹(まつした・ただき)営4、明大中野高
頼れる主務はオフ期間もラグビー三昧。トップリーグなどさまざまなチームに修行に行き、剣さんを積んだ。3月末のオフは海外旅行の予定が中止。「映像を使ってラグビーの勉強をしようと思います」
次回は髙橋広大(情コミ4=桐蔭学園)のインタビューをお送りします。お楽しみに!
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