(16)日本学生氷上競技選手権・3位決定戦後インタビュー 池田涼希

FW池田涼希(政経4=北海)

――最後の試合が終わりました。率直な感想を聞かせてください。

 「(最後勝って)うれしかったですけど、優勝じゃないんだなと。でもみんな笑ってくれていたので、大満足です。この試合に4年間の思いを全部ぶつけて、あとは後輩たちになにを残せるのか、本当に伝えたいこと、プレーだったり言葉だったりをインカレを通してですけど、それは伝えられたと思います。後輩の雄大(佐久間・政経2=白樺学園)と滉也(徳田・政経3=武修館)が決めてくれて、勝ったのでよかったです」

 

――試合前はどんなことを考えられていましたか。

 「昨日高校の頃の顧問の先生から連絡がきて『勝って終われるチームは2チームしかない。それは1位と3位のチームで、明治は負けてしまったから、1位はなれないけれど、3位になれるチャンスがある』と、本当に勝って終わるのと、負けて終わるのではすごい差がありますし、あとは後輩たちが来年のインカレの組み合わせで、もしかしたらすごく厳しい山に入ってしまうかもしれないので、後輩たちのためにも60分間なにができるか考えてきました」

 

――最後にゴールを決めたい気持ちはありましたか。

 「いや、今日はあんまりなかったです。もう後輩たちに任せて、後輩たちが決めてくれればそれでいいと思っていました」

 

――4年目のインカレはどんな大会になりましたか。

 「ちょっと後悔はあるんですけど、でもこの経験は後輩たちの糧になると思うので、いい意味でも悪い意味でも後輩たちのためになった大会だと思います」

 

――憧れ続けた明大での4年間が終わりました。

 「小学生の頃から夢見たユニホームを着て、試合することは本当に特別でしたし、その中で1年目からずっと試合に出させてもらって、本当に幸せな4年間でした」

 

――そして10番を背負った1年間でした。

 「インカレのキャプテン10番は自分の知っている限り、試合に出ていなくて、途中でいなくなったり、最初からいなくなったりする人がキャプテンで10番だったんですけど、本当に最後までいれてよかったと思いますし、歴代すごい方々が付けた背番号とCマークを付けれたことは本当にうれしく思います」

 

――試合後の円陣では何を話されたのですか。

 「後輩たちに頑張れと。自分たちみたいに悔しい思いはしてほしくない。だから頑張ってほしいと、そういう思いを込めて話しました」

 

――同期の皆さんへの思いを聞かせてください。

 「まず大護(瀧本・法4=駒大苫小牧)。大護は本当に口数が少なくて、多分同期の中なら1番大人です。話し合いとなっても、本当に冷静な判断をしてくれる。ただ、トラブルメーカーというあだ名があります(笑)。でも大護がいなかったら、この同期は成り立っていない。それぐらい自分たちの輪を締めてくれていたなと思います。将希(田中・文4=武修館)は同期の中でもチームの中でも愛されキャラで、本当に器が大きくて、優しくて、自分が落ち込んでいるときも優しく対応してくれますし、将希にはめちゃくちゃ感謝しています。いなくてはならない存在です。ミッチ(京谷充洋・政経4=北海道清水)も口数は少なくて、本当に感情を表に出さない、ちょっとミステリアスなところがあるんですけど、秘めているものはすごくて、それを後輩たちは見て、本当に背中で見せると言ったら多分ミッチのことだと思います。あれが見本で、口数は少ないけど、その分何か言ったらみんな締まるので、そういう大きな存在です。佳成(宮田・法4=白樺学園)は結構おちゃらけキャラじゃないですか。けどあれは、本当にチームのためにやってくれていて、2人部屋とかになったら結構大人しいんですよ(笑)。そういう一面があるんですけど、ムードメーカーとして頑張ってくれて、このチーム体制が決まったときに、佳成が『俺がベンチを盛り上げるから涼希はプレーに集中してチームを引っ張ってほしい』って言ってくれたので、自分は佳成のためにプレーで結果を残したいと思いましたし、ベンチの雰囲気が悪くなったら佳成に頼って、佳成が盛り上げてくれる。同期のFWは自分と佳成の2人しかいなくて、切磋琢磨してやってきましたし、助け合いもできた仲ですし、めちゃくちゃ助けられた存在です。裕次郎(磯部・政経4=武修館)はこのチーム体制になって、ゲームキャプテンとチームキャプテンが分かれて、多分一番混乱したのは裕次郎で、それでゴールキーパーなのでCマークも付けられなくて、しかも試合に出たらベンチにもいられないので、側から見たら少し無責任なポジションに思われがちなんですけど、でも裕次郎は色んな面でキャプテンシーを持って行動してくれていましたし、裕次郎がチームキャプテンじゃなきゃこのチームは崩れていたと思います。そんな裕次郎を支えられた自分は光栄だと思います。明治で良かったって最後思えたのは、この1年裕次郎がキャプテンを全うしてくれたからだと思います」

 

――今後アイスホッケーとどう関わっていきますか。

 「来年もホッケーを続けます。社会人になっても新しいことに挑戦する気持ちは忘れたくないですし、今後のホッケー界になにか新しい希望の光が見えるなら自分はそこに携わりたいです。自分が18年間本気でやってきたアイスホッケーは、大学までは盛り上がっているかもしれないですけど、プロを見たときにちょっともう少し変えられることはあるんじゃないかと。女子はオリンピック出ていますし、女子の方が知名度はあると思います。それが本当に悔しくて、あとは大学にしても、ラグビー・野球・サッカーとかよりもアイスホッケー部の方が優勝している回数は多いですし、なのにアイスホッケー部は学校として取り上げられない、テレビにも出ない。それはちょっと悔しいので、そういうところも変えたいなと思って、その一員になれればいいなと思って(ホッケーを続ける)そういう思いになりました」

 

――最後に後輩へエールをお願いします。

 「自分自身インカレでも活躍できると思っていたんですけど、やっぱりインカレはそういう場所ではなくて、本当に難しい場所だと思いました。本当に強い気持ちを持って、日々過ごしていかないと、自分たちみたいな悔しい思いをしてしまうので、春から気を引き締めて、3冠してほしいです。4年間本当に幸せな4年間でした。なので、チームへの愛を忘れずに、明大でよかったなと思える生活を後輩たちもしてほしいです」

 

――ありがとうございました。

 

[藤山由理]