(53)箱根直前特集⑫ 手嶋杏丞インタビュー

2019.12.26

 箱根まで残りわずか。夏以降、箱根予選会、全日本大学駅伝、11月の記録会と奮闘が光った下級生。エース・阿部弘輝主将(政経4=学校法人石川)ら4年生も、最後の舞台に向けてこのままではいられない。チーム一丸となり、5年ぶりシード権をつかみ取る。

 今特集では、箱根に向けた座談会の模様や14日に行われた合同取材での選手コメントなどなど全24回にわたりお届けします!

 

 第12回は手嶋杏丞(情コミ2=宮崎日大)のインタビューです。(この取材は12月14日に行われたものです)

 

――春先から振り返っていかがですか。

「前半シーズンは4月に扁桃腺の手術をして、その後1カ月間、運動禁止で走れませんでした。復帰して走り始めたら故障してしまって、本格的に走り始めたのは7月の終わりくらいです。そこからは順調に練習も積めて、後半シーズンはいい感じで結果も出ていると思います」

 

――予選会ではチームトップでした。

「その時は調子が良くて、山本(佑樹駅伝)監督からは『前半抑えて、後半勝負』と言われていたんですけど、全く別の走りになってしまいました。でも日本人4位という結果はこれからの陸上人生にとって自信になる結果になりました」

 

――その後の全日本大学駅伝では2区16位でした。

「全日本は初めての大学駅伝ということで、緊張とか駅伝慣れをしていなかった部分がありました。でも一回経験して雰囲気を感じることができたので、次は失敗しないという自信があります。箱根に関しては全然心配ないですし、良い走りができると思います」

 

――今年自分が一番強くなった部分はどこだと思いますか。

「走りというより、気持ちの面が強くなったと思います。合宿前に阿部さんが予選会と全日本駅伝で走らないことを山本監督から聞いたので、ここで誰かがやらないと絶対に落ちると考えていました。自分がやってやろうという気持ちで練習をこなしていたので、そういう気持ちの部分から強くなれたと思います」

 

――阿部主将についてお願いします。

「前期が阿部さんと同じ部屋でケガをしていても頑張っている姿を見ていました。その中で主将が頑張っているからこそ箱根で走ってほしいと思っていました。また阿部さんは陸上に対してマイナスなことをやらないので、本当にストイックな方です」

 

――走りたい区間はありますか。

「コース的には3区が走りやすいというか、自分の走りに合っていると思います。しかしシード権獲得というのがチームの目標なので、2区で他大のエースの方と戦うことも視野に入れながら、臨みたいと思います」

 

――意識している他大のエースはいますか。

「正直、他大で意識しているエースはいません。他大よりも鈴木(聖人・政経2=水城)とか身近な人を意識してしまいます」

 

――同級生の存在はいかがですか。

「大学に入ったときから同期の鈴木をライバル視してきましたが、去年1年生の中で唯一鈴木が活躍しているところを見て、負けてなれないなと思いました。鈴木が良い結果を残しているから、今の自分の結果があると思うので、鈴木とは良いライバル関係を築けています」

 

――競技面以外ではどうですか。

「鈴木と一緒にいる期間が多いですね。自分も鈴木も性格的にやんちゃというか、合っているので、けっこう一緒にいます。(陸上の話は)陸上の話はたまにするんですけど、普段はリラックスしているので、ふざけた小学生みたいな話しかしないです(笑)」

 

――箱根に向けて、自身の目標とチームの目標をお願いします。

「チームの目標は1年前から掲げてきたシード権獲得です。個人としては去年の阿部さんのような流れを変える走りができればいいなと思います。今は調子が良いので、楽しみというより早く走りたいです」

 

――ありがとうございました。

 

[綾部禎]

 

箱根駅伝まで、あと7日。