
(19)~インカレ直前特集~ 主将主務対談(佐藤亮・芹澤)
総理大臣杯、関東大学1部リーグ戦と2冠を果たし、堂々の関東地区第1代表として11年連続19回目の出場となるインカレ。本特集では12月7日から全7回で、4年生3組の対談、4年生マネジャー対談、主将主務対談、栗田大輔監督のインタビューをお届けします。明大の初戦である14日の前日には展望記事を掲載します。
第5回は、佐藤亮主将(商4=FC東京U―18)、芹澤徹郎主務(営4=鎌倉)の主将主務対談をお送り致します。(この取材は12月4日に行われたものです)
――今シーズンここまでを振り返っていかがですか。
芹澤:シンプルによく勝つなと思います。自分は視点が選手と違って、どうやったらこの選手がいい状態で持ってけるかなということを考えています。日によって状態が違うときや今日アップ微妙だったなという日でも結果終わったら勝ってるということがあります。みんながいろんな状況の中で最善を尽くしているからいい結果が出ているのかなと思います。外から見るのと中から見るのでは全然印象が違うと思いうので、ギリギリで力を発揮してるなと思います
佐藤亮:成長したと率直に思います。シーズンの最初は4年生としても役職柄としてもうまくいかない時期もありました。勝っているからこそ表に出ない部分かもしれないですけど、その中でも試行錯誤を重ねながらここまできたので、チームとしてまた一つ二つ大きくなってここまで来られたと思います
――2冠という結果について心境をお願いします。
芹澤:うれしいです。本当にうれしいです。こうしようとは思っていましたが、ここまでうまくいくとは思っていなかったので、思ってもみなかったですね。ずっと怖いなとは思っていました。どこで崩れるのだろう思っていました。でもインカレ前まできてしまったので、もうただやるだけ。崩れるも何もないから、やるだけですね
佐藤亮:優勝した瞬間は一安心しました。肩の荷が下りて解放されたみたいな感じでした。明治のサッカー部は大学の中では優勝候補筆頭で、それは明治のこの選手この選手がいるから優勝候補ではなくて、明治のサッカー部だから優勝候補みたいな感じです。今でこそプロが6人決まっていますが『誰が出ているから優勝候補だよね』ではなくて、明治として見られています。それに対する責任というか、それも先輩たちが作り上げてくれたものなので、それを崩さないように、むしろ上積みしていかなければいけないというところの責任感を持っていました。それを積み重ねるも崩すも最後は僕の責任になるので、それを背負いながら、例えば総理大臣杯で史上初5年連続決勝進出とか2連覇を達成するとか、世間から注目されがちな年だったので、それを達成できたときは本当に一安心して、うれしいというよりかはホッとしました。良かった、安心した、先輩に顔向けができるという思いの方が大きかったと思います
――大学4年間を振り返っていかがでしょうか。
芹澤:僕は正直悔しいの一言ですね。自分にとっての今の時間はインカレの追加登録3枠を争う時間なので、自分がその3枠に入る可能性が低いというのも実感しています。諦めてはいないですけど。諦めてないというのを口に出すからといって、ピッチの中でやることは何も変わらないです。それで、その時間に何かを見出すために、セカンドにいる同期と話し合うことは結構ありますが、どちらかというとセカンドにいる人間は現実を見たときに敗者だなと、この組織の中で勝ち残れなかったメンバーなので、きれいごとで終わらせるつもりはないです。自分個人で4年間を振り返ると、ああしとけばということはないですが、自分の実力が足りなかったなというところに尽きます。なので、この悔しさをバネにではないですが、みんなのことを応援しながら自分が社会人のときにどう生きていくかというところにつながっていくと信じて、あと明治がもっと良くなるために4年生の責任があるので、この時間はそれをやりながら、その悔しさと向き合っていきたいです
佐藤亮:つらかったことの方が多かったですね。今季こそ試合に出れて結果を出せています。しかし今季の入りはどうだったかというと、自分は今季の入りで試合に出れていませんでした。ましてやキャプテンという役職を持ちながら試合に出ないという、恥ずかしいというか悔しいというか、不甲斐ないというか、みんなにどう顔を合わせたらいいのかわからないですし、週末の試合でまたスタメンではないのかって思ったときに悔しかったです。それは今季の始めにかかわらず、2年生でケガしたときもそうですし、3年生のここぞというときに病気にかかってしまったし、1年のときもトップを経験したからこそ言われる言葉もひどかったです。それはスタッフからも先輩からもそうですし、見られる目が厳しかったのは良いことですが、その分心にグサッと刺さるような言葉をかなり言われてきたので、つらい時期の方が多かったです。それでもやはりこの大学だから味わえたことですし、他の大学だったらもっとスムーズに試合に出られたとか、こんなに厳しい環境で仕事をさせられたりすることもなかったからこそ、充実感みたいなものも半減していたと思います。そういうのを考えると明治に来て良かったと思いますし、それは今だから言えることですが、当時を振り返ったら絶対にそんなこと思わないですし、もう一回やれと言われてもやりたくないです。でも過ぎたからこそ言えることなので、本当に充実して同期で絆を深め合い、総じて楽しかった4年間だと思います。結果的に楽しかったよね
芹澤:楽しかった
――佐藤亮主将の人柄を教えてください。
芹澤:本当に人当たりが良くて誰とでも合わせられます。1個と言われたらそこです。だから、僕たちの中で主将を決めるというときに、本当は佐藤亮ともう1人挙がっていましたが、僕は最初から佐藤亮で、佐藤亮以外絶対ないだろと思うくらいでした。僕たちの代は個性が強かったので、そうなってくると全員と平等に深いコミュニケーション取れるやつって佐藤亮しかいなくて、しかも人前に立ったときに話せるというのは主将として大事なところだと思います。もう一つ自分の期待を超えてきたのはここまで結果を残すかっていうことです。期待値の部分だったので、人とコミュニケーションがとれて、期待を上回ってくるという感じですね。褒めすぎ?(笑)
佐藤亮:いや、うれしいですよ。泣きそうだよ
芹澤:あといじられるのがうまいです。いじるのはそんなにうまくないかな(笑)
――芹澤主務の人柄を教えてください。
佐藤亮:他の57人は知らないと思うけど、一番この1年間苦労しているし、大変な思いをしてきて、多分今年一番怒られているのは彼だと思います。それだけ期待されているし、重要な役割だと思いますが、サッカーに集中したいだろうし、ピッチに入って躍動するというが一番やりたいことだと思います。それでも裏方に回って、なおかつサッカーもしながら、これだけチームを円滑に回してくれるのは彼でなければできなかったことです。他の選手は『もっとこうしろ』と言うと思うんですけど、『じゃあお前がやってみろよ』と僕は結構思います。『芹澤がどれだけ大変なことをやっているか分かっているか』と、見えないところで大きな仕事をしているので、今年もちょっとミスをしたけど、それも含めて彼だなって思います。完璧な人なんていないし、そこに対して向き合おうとする姿をどれだけの後輩が見てくれたかなと同じチームの一番上の立場から思っていたので、僕から見たら一番感謝しなければいけない存在です。このチームがこうして勝っているのも彼がチームを円滑に回してくれているからであって、試合のときも彼が事細かに時間を配分してくれて、リスク管理もしてくれるし、その上での2冠があるので、僕はもう一番彼に感謝したいです。彼の仕事ぶりが人間性を示しています。言葉はいらないくらいのすごい人です
――勝ち続けることの難しさをどう考えていますか。
芹澤:勝ち続けても、何が勝ち続けている要因なのかというのを『明確にこれ!』と、それに頼り切ったらお終いなので。勝ち続けているのに、勝ち続けている要因にはならないというのは感じました
佐藤亮:勝てば勝つだけ不安になってくるのはあります。自信がつくというのもありますが、勝てば勝つだけ不安になる。その不安になるのを取り除くのを僕がやればいいのですが、例えばアマチュアや大学サッカーはスキが生まれたり、甘さが出たりってなりがちだと思いますが、そういうところにどれだけ気づいて、どれだけ目を向けて、しっかりとした矢印をずらすことなくやり続けるというのはやはり難しいです。どれだけ研究された中でも勝ち続けられるかというのも、勝てば勝つほど研究されるし、難しくなっていくので、その中でも打開できるだけの個の能力であったり、チームのスキルを磨き続けなければ、年間勝ち続けられないと思うので、そこは勝つことの難しさという意味で考えられると思います
――最後に、インカレへの意気込みをお願いします。
佐藤亮:4年間お世話になって、苦楽を共にした同期がいて、家族には散々迷惑をかけましたし、スタッフにもいろんな指導をいただいて、この4年間で出会えた人というのは計り知れないです。陰にいろんな応援してくれる人がいて、その数を足したら大応援団になってしまうくらいの方々に支えてもらいながら生きてきました。最後に頑張ったよねと言われるよりも、優勝して素晴らしいねと思ってくれる、その感情にさせるのが恩返しだと思います。だから僕がやれることは、プレーもそうだし結果もそうですが引っ張って、チームが苦しいときに自分が一番頑張ってつらい顔を見せずに最後まで諦めない姿勢や、勝ってたとしても最後まで全力で戦い抜くとか、そういうところに自分はフォーカスを当てて、今年最後にもっと応援してもらえるような選手やチームになりたいと思います。『この年はあの人がこれだけ頑張っていて、本当に私は感動した!』とか、『こういうチームをもっと応援したい!』とか、『こういう選手をもっと応援して見続けたい!』と思ってもらえるくらい最後の大会で自分の今までの生き様を残していけたら、それが大学4年間に対する恩返しだと思います
芹澤:まずは追加登録3枠を目指すために、練習を日々全力でやるというのと、自分が主務としてやれることは限られていて、それを完全にミスなく遂行する任務というか、責任があるので、それをやった上で優勝したいです。自分は優勝した瞬間にピッチに立っている確率は低いと思いますが、見てくれている方に結果が情報として届いて、高校生の人が『明治に来たい』と言ってくれたり、プロのファンの人たちが『明治ってめちゃくちゃ強いらしいよ』と知ってもらえたり、大学が結果を聞いて『もっとサッカー部を応援しよう』となってくれたらそれ以上のことはないです。優勝したいです
――ありがとうございました。
◆佐藤 亮(さとう・りょう) 商4、FC東京U―18、170センチ・63キロ
◆芹澤 徹郎(せりざわ・てつろう) 営4、鎌倉、167センチ・63キロ
次回は栗田大輔監督のインタビューをお送りします。
更新は明日12月12日です。お楽しみに!
インカレ初戦まであと3日!
[佐々木崚太、高野順平]
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