スクラムの要・小林賢太 「明治が一番勝ちたい相手」

2019.11.28

 「明治が一番勝ちたい相手」。2年生ながら、スクラムの中心・3番を背負うプロップ小林賢太(スポ2=東福岡)。1年次からレギュラーを担い、昨年度の大学選手権準決勝での敗戦を経験。小林を中心に進化した早大FWが明大に迫る。


悔しさ胸に

 「自分がボールをクリーンアウトしていれば継続できていた」。昨年度の大学選手権準決勝・明大戦。4点を追う早大はラストワンプレーでアタックを継続していた。しかし、小林が参加したラックからボールがこぼれ、明大ボールに。そのままノーサイドとなった。「何回試合を見返しても、悔いが残るシーン」。この悔しさを糧に1年間課題を突き詰めてきた。

 「FWで勝てないと試合にも勝てない」。特に改善してきたのがスクラム。まずは昨年度の〝耐える〟スクラムから〝押す〟スクラムへマインドを変えた。「どの大学でも押すくらいの気持ちを全員が持っている」。さらに、練習後には8人でポジションごとの課題を共有。FW全体でスクラムへの意識を徹底している。

 対抗戦では早くも成果を見せつけた。9年ぶりに白星を挙げた帝京大戦。春には24―61と大敗を喫した相手に、ファーストスクラムからペナルティーを誘い、PGを獲得する。その後も前半21分、後半7分にスクラムでペナルティーを奪うなど、FW戦で奮闘。春からの成長を体現する一試合となった。

 今回の明早戦、命運を分けるのはFW戦。両チーム決定力の高いBKがいるだけに、どれだけ良い球を供給できるかが勝負となる。そして、セットプレーの中心を担う小林の活躍は欠かせない。「自分の役割を明確にすることが大事。やってきたことを出せれば勝てると思う」。縁の下の力持ちが明早戦の勝負を決める。


【田中佑太】

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