タクト振るう紫紺の心臓 山沢京平

2019.11.28

 田村超えも夢ではない。スタンドオフ山沢京平(政経3=深谷)は敵陣を切り裂くランと正確無比のキックが特長だ。昨年度までのフルバックから、日本代表で活躍した田村優選手(平23文卒・現キヤノンイーグルス)も担ったポジションである、スタンドオフに転向。一気にチームの大黒柱へと成長した。


日進月歩


 日に日に進化を続けている。潜在能力が随所に現れたのは慶大戦だった。キックでトライのお膳立て。さらに、ランでも独走トライを披露。春からの課題だったボールキャリーでチームを勢いづけ、大観衆の前で成長を見せつけた。「周りを生かしつつ、自分でも仕掛けることができる選手」。早大の10番・岸岡智樹は山沢のプレーを警戒。司令塔の判断が明早戦のカギを握っている。

 まだまだ発展途上だ。長くスタンドオフとしてプレーした伊藤宏明コーチも「能力は高い」と期待を寄せる。スタンドオフで活躍する兄・拓也選手(パナソニックワイルドナイツ)の存在を意識するが、あくまで目指すのは京平流。「チームメートをしっかり見て、空いたスぺースをうまく使えるようになりたい」。理想像を語る視線の先には〝真価〟の2文字。山沢京平の〝進化〟は、始まったばかりだ。


【髙橋昇吾】

◆山沢京平(やまさわ・きょうへい)今年度からスタンドオフに転向。キック、ランは大学トップクラス。176㌢・85㌔ 

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