(11)「明治でアイスホッケーをやることに意味がある」池田涼希 インタビュー
実業団の廃部、国内リーグ発足など様々なニュースが飛び交い、革新のときにある日本アイスホッケー界。その中で大学王者として君臨し続けている明大。彼らが見ている景色とは。今回は、関東大学リーグ3連覇を狙う選手たちの心境を伺うとともに、自身のルーツや競技の魅力に迫った。最終回はFW池田涼希(政経4=北海)のインタビューをお送りする。
(この取材は7月18日、11月17日に行われたものです)
――改めて春を振り返っていかがですか。
「春は本当に情けなかったのが一番です。3冠という夢が途絶えてしまって、それと先輩方が築き上げてくださった何連覇も途絶えてしまって、情けないのと申し訳ない気持ちがありました。でも最終戦でああいう勝ち方ができて、やっと本来のやるべきことが明確になったので、結果は3位で終わってしまいましたけど、終わってみれば次につながる大会だったのかなと思います」
――最上級生になっていかがですか。
「自分が調子悪くても、あの人たちが勝手にやってくれていたので、頼りがいがあって、その人たちが抜けて頼れる人が居なくなってしまって、存在はすごい大きかったです。少しでも早くそのレベルに達して、その人たちを上回るくらいのレベルにならないといけないです」
――卒業が近づいています。
「めっちゃさみしいです。ホッケーはもちろんですけど、寮生活は人生でできない人もいると思うので、寮生活楽しもうかなと思います。同期とか部屋で思い出を一つでも多くつくりたいなと思います」
――日本製紙クレインズの廃部のニュースを聞いたとき、どう思われましたか。
「今まで自分が知っていた中で、2チーム廃部になってしまったんですけど、自分が現役でやっている中では初めてだったので、本当にこういうことがあるんだなと。その2チームは廃部で終わってしまったので、クレインズは存続したので、すごいなと思いつつ、廃部になってからお客さんを集め始めたので、それをもっと早くできなかったのかなと思います。(今のアイスホッケー界について)代表とかも経験して、すごく楽しかったですけど、そこであんまり深くは言えないですけど(笑)『明治がどうたらこうたら』とか言われていたので、ホッケー以前の問題が多いのかなと思います」
――やっぱり試合を観に来てほしいと思いますか。
「そうですね。お客さんがいればいるほど、盛り上がりますし、応援してくれる人がいると実力以上のものが出せると思うので、応援は多ければ多いほどいいです」
――どうすれば観客が増えると思いますか。
「もう少しリンクを近くするとかですかね(笑)。あとは自分たちからキャンパスでチケット配ったり、チームで何枚か用意しているので、今それが余ったりしていて、それはもったいないなと思うので、自分たちから呼び込みしたりすることが大事だと思います」
――ここまでアイスホッケーを続ける理由を教えてください。
「親が大変で親に迷惑をかけるスポーツなので、だからずっとやってきたこのアイスホッケーというスポーツで、少しでも恩返ししようと、その一心でやってきました」
――やめようと思ったことはありますか。
「やめようと思ったのは小学校1年生のときに一回『つまんねぇ(笑)』と思って、やめたんですけど、兄がやっていたので、兄のチームでお楽しみ会みたいなのがあって、そこでもう一回アイスホッケー面白いなと思って、親に『お願いします。もう一回やらせてください』と言って『じゃあお前もう二度とやめんなよ』と言われたので、そこからやめようと思ったことはないですけど、高校時代はつらかったのでちょっとやめたいな、逃げ出したいなと思うことはありました。(今は)めちゃくちゃ好きです」
――アイスホッケーの魅力を教えてください。
「アイスホッケーというより、明治のアイスホッケーに魅力がたくさんあります。観客を魅了したり、自分はただ点数を取るだけじゃ面白くないと思っていて、ちょっとひと工夫したり、ひとひねりしたり、そこが明治に来て良かったなと思うし、アイスホッケー好きだなと思えます。明治でアイスホッケーをやることに意味があります。ほかの大学だったらこれだけ情熱注げなかったと思います。本当に明治でよかったです」
――いつから明治を意識していたのですか。
「中学生ぐらいのときです。昔の明治アイスホッケー部は札幌で合宿をしていて、自分は札幌出身で、自分のクラブチームの監督が明治出身で、そのときの明治の選手が合宿中に自分のチームの練習に参加してくれて、自分も中学生の中では結構うまい自信があったんですけど、それでも明治の選手から一回もパック触れないし『なんだこの人たちは』と思って、ここでホッケーやりたいと思いました。そこから気持ちは変わらなかったです。(高校が)強豪校ではなかったので、自分の持っている長所を相手がどこであれアピールしていたし、アイスホッケー界全体に名を知らしめたくて、そう思ってやっていました」
――プレースタイルを教えてください。
「大学生になってから今のプレースタイルになって、やっぱり1年生から試合に出たかったし、でも自分はそんな実力ないし、それでも試合では結構使われていたので、どうやったら生き残れるか、どうやったら試合に出続けられるかとなったときに、周りがうまいということを利用して、周りを使って自分が生きる、自分がいいところで先輩からパスをもらったら絶対に決める、その意識が生まれました。それまでは、自分が自分がと、ただがむしゃらにやっていました」
――今年から背番号を10番に変更されましたが。
「代々名選手が付けていた番号なので、多少重みは感じているんですけど、その中でも『歴代最高の10番だよね』と言われたいです」
――秋リーグも残り2試合です。
「最近の試合は点数も決められていないですし、得点にも絡めていないので、背中で引っ張れるようなプレーをして、絶対優勝に導きます」
――ありがとうございました。
[藤山由理]
◆池田 涼希(いけだ・あつき)政経4、北海、170センチ・70キロ
★応援に行こう★
大会名:関東大学リーグ戦
日付:11月23日(土)対中大 24日(日)対早大
場所:ダイドードリンコアイスアリーナ(西武新宿線東伏見駅、徒歩1分)
試合開始予定:10月23日(土)14:45~、24日(日)17:30~
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