(番外)加藤大がJ2・愛媛FCへ来季新入団内定!

2019.11.20

 11月14日、GK加藤大智(商4=名古屋グランパスU−18)のJ2・愛媛FCへの来期新入団内定が発表された。明大の今季プロ入り内定は、6人目だ。

 明大の守護神がプロへの扉を開いた。広い守備範囲を誇り、DF陣からの信頼も厚い加藤大。今季は早川友基(営3=桐蔭学園)とともに紫紺のゴールマウスを任され、好調なチームを支えてきた。ハイライトは7月3日の天皇杯・川崎フロンターレ戦。再三にわたって好セーブを連発し、一躍脚光を浴びた。大舞台で得た自信を胸に、プロの世界へ飛び込む。

 

――プロ入りが決まった率直な感想を教えてください。

 「まずはホッとしています。ここからがスタートだと思っています」

 

――いつ頃からプロを意識されていましたか。

 「サッカーを始めた時からずっとプロになりたいと思っていました。試合に出始めてからも、自分はプロでやっていけるなという確信もあったので、あとは流れに身を任せてオファーが来るのを待っていました」

 

――プロでもやれるという確信があったのですね。

 「全然できると思っていたので、過信はしてないですけど自信はありました」

 

――その確信はいつ頃からありましたか。

 「下級生の頃からもともとやれるとは思っていました。天皇杯も出ましたし、関東リーグなどの厳しい戦いを戦っていく上で、自分のプレーは上でも通用するという確信にいたりました。愛媛の方に練習参加させていただいた時も戦っていけるなという手応えはありました」

 

――愛媛FCへの入団経緯を教えてください。

 「チームのスタイルに自分のスタイルが合致したということもあります。リーグ戦、大臣杯と、今年の明大が残した成績というものと、その二つの点での評価両方が合わさってオファーをいただくことができました」

 

――練習参加はいつ頃にされたのですか。

 「10月に3日間だけ行きました」

 

――その3日間で決断されたということですか。

 「そうですね。感触も良かったですし、そこでオファーをいただいたので決めました」

 

――今まで愛媛という場所に縁はありましたか。

 「全くなかったです。練習参加で初めて行きました。同期の曽根が愛媛のユース出身なので少し話は聞いていましたが、とても雰囲気のいい街だなと思いました」

 

――明大の先輩も多く在籍しています。

 「丹羽詩音(平28文卒)さんや、その一個上の藤本佳希(平27文卒)さん、山崎浩介(平29商卒)さんがいて、特に山崎さんには良くご飯に連れていってもらってお世話になっていました。やっぱり先輩も今の明大のことを気にしていましたし、そういった話ですごく盛り上がりました」

 

――プロの舞台で対戦したい選手はいますか。

 「もちろん同期です。特に健人(中村・政経4=東福岡)は鹿児島で多分J2の舞台で同じになるので戦いたいです。あとユースの時の同期で、徳島にいくことが決まった吹ヶ(徳喜・阪南大)もいるので、四国ダービーで戦ってみたいです」

 

――明大進学を決めた理由を教えてください。

 「シンプルに明治大学が強いというのは聞いてはいたのですが、特にあまり情報は持っていませんでした。練習に参加して、やっぱりいいなという印象を受けたのでセレクションを受けました」

 

――明大での4年間を振り返って得られたものはありますか

 「誰もが言っていると思いますが、明大のサッカー部は人間形成の場であると思います。そういったところはやっぱり大事なところだなと四年生になってしみじみ感じました。プレイヤーとしても、スタイルこそ変わっていないですが、もう一段階上のプレイヤーになれたと思っています。もし大学進学したいというサッカー選手がいたら明治大学を一番に推したいです(笑)」

 

――加藤大さんといえば努力の人というイメージです。

 「下級生の時になかなか試合に出場できていなかったからそう思われているのかもしれないですが、もしかしたらここに至る過程で努力が足らなかったから試合に出ることができなかったのかもしれないです。自分はずっと上でもやれると思っていたのですが、歴代の先輩方にも素晴らしいGKがいらっしゃったので、メンタル的なところでぶれていたのではと振り返っても思います。4年生になってそこの部分は安定してきたなと感じています。それが1年生からできていればという話だと思うので、自分は下級生にそういった部分の大切さを伝えていきたいです」

 

――今季は副将を務められていますが、チームをまとめる難しさというのはありますか。

 「もともとそういうチームをまとめるポジションには立ちたいと思っていたので、主将になりたいなとも思っていました。でもそこは今まで試合に出ていた亮(佐藤主将・商4=FC東京U−18)がいたので、ならば副将として後輩とコミュニケーションを取ったりというところを意識してきました。今年みたいに結果が出ていれば選手も自然とついてきてくれるので、副将が大変とかそういうことではなくて、4年生がしっかり結果を出しているというのがここまでいい状態で来れている秘訣です」

 

――GKのポジションは早川さんとの激しいスタメン争いが続いています。

 「どちらが絶対的にスタメンというわけではないので、練習から一つ一つ意識してやっています。自分が譲る気は無いし、勝てるとも思っています」

 

――そういったライバルがいることは刺激にもなっていますか。

 「同じポジションに張り合いのある選手がいないと慢心してしまう可能性もあるので、やっぱりライバルがいるというのはいいことだと思います。山口(康平・文4=FC東京U−18)も怪我から復帰して仕上がってきていますし、自分と早川だけの勝負じゃ無いので、GK陣全員で高め合っていければと思います。最終的に出た選手がチームを勝たせることができれば、自分が出ていなくても後悔はないです」

 

――7月3日の天皇杯・川崎フロンターレ戦では好セーブを連発し、大きなインパクトを残しました。

 「あの時のインタビューで『人生を変える最大のチャンス』って言ったことを良く覚えています。あの場面で力を出せなかったらプロに行っても戦えないということなので、どれだけ自分の力を出すかということに集中した状態で試合に入れました。たまたまシュートがいっぱい飛んできたので活躍したみたいな感じになっていますが、チームとしてもっと川崎相手にいいサッカーをすることができなかったのを後悔しています」

 

――加藤大さん自身、フロンターレ戦後から何か変わったことはありましたか。

 「例えばSNSでフロンターレのサポーターの方に応援をいただいたりしました。ユースで所属していたグランパスのサポーターの方からも見てましたという声をいただいたので、いろんな方に支えられているということを実感できました」

 

――振り返ってみても「人生を変える最大のチャンス」でしたか。

 「法大が東京ヴェルディやガンバ大阪を倒して、プロへの道を切り開いていった選手もいるので、フロンターレさんに勝っていれば自分だけではなくてもっとたくさんの選手に選択肢が開けたのかなと思います。振り返っても人生最大のチャンスでした。本当に勝ちたかったです」

 

――あの試合での活躍は改めて自信になったのではないでしょうか。

 「大舞台で力を発揮できたというのは良かったですが、まだまだあれよりも強いチームがあるということを知れて、自分の能力はまだ足りないのかなと思いました。今回愛媛FCに入団させていただいたということで、愛媛をチームとしても上位に上げることもそうですし、そのためにも個人の能力を上げていきたいです」

 

――加藤大さんの自信のあるプレーはどう言った部分ですか。

 「ビルドアップは他よりできるかなとは思います。絶対負けないのはディフェンスの背後のボールの処理や、クロスボールに対してどれだけ広く守れるかというところの判断力だと思います。ただでさえサイズがないので、伸ばしていかなければいけない部分は練習していければと思います」

 

――大学サッカー界でプレーする時間が残り少なくなってきている中で、チームに残したいものはありますか。

 「今季ここまで勝ち続けてきたことでわかったことはたくさんあると思うので、インカレまでしっかり勝ち続けて、勝ち切れるチームにはこういう要素があるということを後輩に伝えていきたいです」

 

――最後に、プロへの意気込みを一言でお願いします。

 「自分のプレーで愛媛FCをJ1に昇格させます!」

 

――ありがとうございました!

 

[高野順平]

 

◆加藤 大智(かとう・たいち) 商4、名古屋グランパスU−18、180センチ・75キロ