(28)~FINAL CHALLENGE~ 石井洋介「明治は自分が一番成長できる場所」

2019.10.11

「真価が問われる代」。武井日向主将(商4=国学院栃木)は今年の最上級生についてこう語る。苛烈極まる対抗戦、そして連覇の懸かる大学選手権へ。激戦のさなか、4年生一人一人に今シーズンに懸ける思いについてうかがった。

 

第3回は石井洋介(情コミ4=桐蔭学園)のインタビューをお送りします。(この取材は8月31日に行われたものです)

 

――対抗戦に向けて心がけてきたことはありますか。

 「明治が春から積み上げてきたものを出すことを意識して臨んでいます。今年のプレースタイル自体は例年とそこまで変わらないですが、チーム全員で一つのものを武器にしないようにしています。ストラクチャーの部分やアンストラクチャ―の部分をどちらも意識してどこからでもトライを取り切れるようなチームを目指しています」

 

――夏合宿を経ての変化はありましたか。

 「慶応戦ではブレークダウンで相手のペースにされてしまいました。逆に夏はもう一度明治のベースの部分を見直すことができたいい時間だったと思います。開幕戦では自分たちのラグビーをするためにまずブレークダウンとセットプレーを意識するようになりました。いつも通りディフェンスをすることを心がけることが大事だと思います。コミュニケーションをうまくとって修正していきたいと思います」

 

――4年生はどんなチームですか。

 「4年生同士は本当に仲が良くてうまくコミュニケーションが取れていると思います。武井は本当にまじめな選手です。誰よりも体を張って、メンバーが背中を見ていたらついていきたくなるようなキャプテンです。試合中のコミュニケーションでも発言力があって周りからも信頼が厚くていいキャプテンだなと思います」

 

――他大に注目している選手はいますか。

 「柴田(徹・早大)です。同じポジションですが、彼は常に体を張り続けられるいい選手なので、僕もライバルとして意識して取り組んでいます」

 

――ここまでの大学での競技生活の振り返りをお願いします。

 「大学に入ってからはただ自分が好きなプレーばかりをしていたら試合に出ることができないので一つ一つのプレーに対して考えるようになりました。1年生の時に上のチームで試合に出場させていただく機会がありましたが、その時は4年生についていかないといけない立場でした。気がついたら最上級生になっていて今度は自分たちが引っ張っていかないといけない立場になりました。ひざのケガで1年くらいプレーができなかったですが、その時に体づくりですとか今まで取り組みが甘かった部分を意識して見つめることができたのでいい時間だったと思います」

 

――明大でのプレーを決めたきっかけを教えてください。

 「小さなころから明治のラグビーを見る機会があってその時から明治に行きたい気持ちが強かったです。中学受験も明大中野を受けたりして少しでも明治に近づけるようにしていましたが落ちてしまいました。高校で進路を決めるときはちょうど帝京大が強い時期で、帝京大に勝てるのは明治しかないという気持ちが自分の中に強くありました。周りにすごい選手がいる中で明治は自分が一番成長できる場所だと思ったことがきっかけです」

 

――対抗戦に懸ける意気込みを教えてください。

 「今年はイレギュラーな日程になりますが、間の2カ月にもう一度チームが一つになることが大切だと思うのでチームをまとめられるようにリーダーとして常に体を張っていきたいと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[清水康佑]

 

◆石井 洋介(いしい・ようすけ)情コミ4、桐蔭学園高、183センチ・100キロ

最近のマイブームはスムージー作り。「どこかで飲んだバナナシェイクがおいしくて自分で再現しようと頑張っています」お手製のスムージーで屈強な体を支えている

 

次回は射場大輔選手のインタビューをお送りします。