濱西諒 〝練習バカ〟が夢見る世界への道
崩れないフォームでゴールまで。高校3年次の国体5000メートルWで見事優勝に輝いた濱西諒(文1=履正社)。徹底した基礎練習が築き上げた歩形は「今まで失格したことは一度もない」。その絶対的な安定感を武器に、さらなる高みを目指し歩みを進める。
競歩への道
〝無失格、警告4回のみ〟。驚異的な記録の裏には、地道に重ねた努力があった。長距離の推薦で入学したが、結果が出ず壁にぶち当たった高校1年次の春。濱崎監督の勧めで競歩と出会った。平日は高校で、週末は大阪陸上競技協会の奥野コーチの下で練習漬けの日々。同校で二つ上の先輩だった鈴木匠(順大)の「誰が見てもきれいなフォーム」を目標に、最初の1年間はひたすら歩いた。始めは今までと違う筋肉を使うことで筋肉痛に苦しみ、半年間記録が出ない時もあった。それでも練習を怠ることは一切なかった濱西。努力が光を放ったのは高校3年次の国体だ。悔しい10位に終わったインターハイから2カ月、必死に自分を追い込んだ。「勝てる自信があった」と万全の状態で出場。終始リードを許さず見事優勝し、リベンジを果たした。「勝つというのは失格しないでゴールすること」。強い意志で歩んだ日々が〝失格しない〟フォームを生んだのだ。
憧れの先輩
明大進学の決め手は2人の先輩だ。「後継者になりたい」と挙げるのは、同じ大阪府出身で世界でも活躍する 野田明宏(平30商卒・現自衛隊体育学校)。また明大のエース・古賀友太(商2=大牟田)も「次元が違う」が「いつか勝たないといけない」存在だ。同じ土俵に立つためにメンタル強化と距離適性を課題に挙げる。「(陸上は)自分次第で全てが決まる」。今夏も大阪陸上競技協会の合宿に志願。新天地でも〝練習バカ〟は健在だ。
競歩と出会い、がむしゃらに練習を積んだ高校時代。気付けば学生界トップ選手になっていた。「まさか明大に入るとは」。辞めたい瞬間も多かったが、諦めず何度も前に進んできた。将来は国際大会でも活躍する選手になりたい。「大きな夢」でも、一番の目標はオリンピック出場だ。ひたむきな努力が実るその日まで、決して歩みを止めない。
[ソル ヨンファン]
◆濱西 諒(はまにし・りょう)文1、履正社、170センチ・60キロ。乃木坂46のファンで推しは樋口日奈。好きな食べ物はペッパーライス
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