藤鷹裕大 目指すは世界の舞台 志を高く躍進する

2019.09.16

 巧みな技でライバルに立ち向かう。高校時代からポイントゲッターとしてチームをけん引した藤鷹裕大(政経1=愛知県私立大成)。大学入学後も団体戦出場、東京都ジュニア選手権優勝と早くもその頭角を現す。高いハングリー精神で、〝頂点〟へと突き進む。

 

苦悩からの巻き返し

 苦しい過去が今の藤鷹を作り上げた。高校2年次、団体戦で全国大会に出場。周囲から優勝候補に見られていただけに、主力選手である藤鷹への期待は大きかった。しかし「自分のせいで負けてしまった」。大事な場面で力を発揮できず、結果としてチームは敗退。見えていた優勝をつかみ取ることができず「周りから非難もされたし、文句も言われた」。チームの大黒柱だからこその苦しみもあり精神的につらく、柔道を辞めたいと思った日もあった。

 そんな時当時の主将が「お前が引っ張って行かなければいけない」と鼓舞。その一言は藤鷹を大きく奮い立たせた。「自分がチームを引っ張っていく」。心機一転し、日々の練習に打ち込む。すると、自然と調子も出てくるように。高校3年次の全日本ジュニア選手権では、初出場ながら堂々の3位入賞。大学生もいる中「延長戦に入ったら絶対に投げることができる」。持ち前の体力と粘り強さで戦った。この一戦は藤鷹の自信を取り戻した。

 

強みを遺憾無く発揮

 明大入学後は実力のある上級生も多い中、団体戦に出場。「思いきりが良いし度胸もある」(中濱真吾監督)と監督からの評価も高い。藤鷹自身も「自信がついた」と1年生にして自分の力が大学でも通用することを実感。東京都ジュニア選手権では準決勝まで全て一本勝ちで駒を進め、迎えた決勝。得意技である内股刈で技ありを決め、見事初優勝に輝いた。最後まで「強豪相手に実力以上の力を出す」強みを生かし、技を駆使して勝つという自分なりの柔道を体現することができた

 

高みを目指し続ける

 果敢な攻めでまい進する。ライバルは神垣和他(商2=崇徳)。「倒さなきゃいけない相手」と上を見つめ気負い立つ。そのために日々の練習から苦手な部分をつぶしていく努力は惜しまない。最終目標として掲げるのは「日本代表として世界でも活躍できる選手」。世界を見据える藤鷹の挑戦はまだ始まったばかりだ。

 

[都甲可奈子]

 

◆藤鷹 裕大(ふじたか・ゆうだい) 政経1、愛知県私立大成高、186センチ・100キロ。マイブームは食べ巡り。最近は五反田の牛タンを食べた。