
(21)「健太さんを超えるプレーヤーに」飯沼蓮 春シーズン終了後インタビュー
王者の勢いはとどまることを知らない。Bグループでのスタートとなった関東大学春季大会は全試合で30点以上の大差をつけて勝利。帝京大、東海大など強豪との招待試合でも勝ち星を挙げるなど好調をキープしている。今回は春シーズンの振り返り、そして夏、秋に向けての意気込みを監督、選手たちに伺った。
第7回は飯沼蓮(営2=日川)のインタビューをお送りします。(この取材は6月16日に行ったものです)
――春シーズンに掲げてきたことは何ですか。
「余裕を持ってゲームコントロールすることを意識していていました。春の試合を積んだことで、自分に自信を持てるようにもなりましたが、まだまだ経験が浅く学ぶことも多くありました。もっと意地悪なプレー、相手のスキを突くようなプレーをしていきたいです。先日の早稲田戦では自分から仕掛けてみたりと、日々足りないところを見て、チャレンジしています」
――今春は紫紺の9番を背負っています。
「昨年の福田健太(平30法卒・現トヨタ自動車ヴェルブリッツ)主将が背負っていた番号でもあるので、今年はそれ以上のことが求められると思っています。今9番として出させていただいていますが、まだ健太さんには全然及んでいません。試合に出ることだけに満足せず、健太さんを超えるプレーヤーになりたいです」
――昨年度と比べて変化はありましたか。
「昨年は自分の事ばかりを考えていたので、周りの事、チームのことを全く考えられていませんでした。しかし今年はチームプレーの事だったり、一人一人の動きの事だったりをアドバイスできるようになり、チーム全体のことを見られるようになったと思います。チームのことを考えることで、余裕も生まれる。結果として自分のプレー向上にもつながったので良かったです」
――司令塔として心掛けたことはありますか。
「自分のやってほしいプレーと、仲間がやろうとしているプレー、たとえばFWの動き、スタンドオフの入り方でも一人一人の癖(くせ)が異なります。全員との食い違いからミスは起こってしまうので、プレー中のコミュニケーションだけではなくて、練習中から一人一人と話し合うように意識しました。そうすれば仲間も自分のしてほしいプレーをやってくれるようになる。自分のしたいプレーを伝えることが大切だと感じました」
――春シーズンを経て、チームとして残った課題はありますか。
「競った試合の時に主導権を取り切れないところです。振り返るとトライした後の簡単なミスから攻め込まれてピンチになるシーンが多々ありました。他にもスタメンとリザーブの差もあります。春は試す時期ということもあり、いろいろなメンバーが試合に起用されますが、先日の早稲田戦でも掲げられていた〝ハイクオリティー〟、一人一人がプレーの精度を上げていく意識、どういった役割で自分が出されるのかを考えることが大切だと思います」
――来シーズンに向けての意気込みをお願いします。
「ずっと良い調子ではいられません。必ずどこかでヤマは来ると思うので、そういう時こそチャンスだと思って、選手権連覇を勝ち取れるように、チームとしても個人としても成長していきたいです」
――飯沼選手にとっての〝真価〟とは何ですか。
「常に自分に足りないところを考える、そのために自分はどうしなければいけないかです。練習中にどういう意識をしなければいけないかを考えて、積極的に試合で試していきたいです。それができるようになったら、また最初に戻って自分を見つめなおすというサイクルなので、どこかで満足したらそこで〝真価〟は止まってしまうと思います。そのサイクルを続けて、一生成長を続ける。サイクルの継続こそが僕にとっての〝真価〟です」
――ありがとうございました。
[高智琉大朗]
◆飯沼 蓮(いいぬま・れん)営2、日川、169センチ・71キロ
昨年度はルーキーながらも、リザーブとして紫紺に袖を通した。今年度は司令塔としてチームを牽引(けんいん)する。将来の夢は日本代表入り
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