宿敵・山梨学大撃破で8季ぶり関東制覇!

2019.06.12

 待ち望んだ栄冠を手にした。プール予選、順位決定戦を全勝で駆け上がり、迎えた決勝戦の相手は山梨学大。昨年度は3度の対戦で1度も白星を挙げられなかった宿敵に対し、弱い姿を見せることはもうなかった。SO(シュートアウト)戦の末、見事8季ぶり38回目の優勝を果たした。


◆4・6~6・30関東学生春季1部リーグ戦(慶大日吉ホッケー場他)▼明大――1位


頂への道のり

関東王者を決める戦いが動いたのは1Q(クオーター)終了間際の14分。PC(ペナルティーコーナー)のチャンスで「春リーグベストショット」(DF古川裕大・政経2=伊万里商)。今季急成長の男の一振りで主導権を明大のものとした。2、3Qを守り切り、勝利を目前に控えた4Q13分。インカレ4連覇中の絶対王者がこのまま終わるはずもなく、相手シューターが放ったボールは無情にもゴールへ。決着はSO戦に持ち込まれた。2―2の場面でMF舘亮佑主将(政経4=丹生)に出番が回る。「ここで決めたらヒーローだ」。うまくGKをかわし、ゴールからは乾いた音が響いた。その1点をGK野井辰真(法3=伊予)が死守し勝負あり。「気持ちいいなあ」。人生初の胴上げ。3度宙に舞いながら、舘は喜びをかみ締めた。


つかんだ自信

常勝軍団へ。「これまで見てきた中で一番いいチーム」と宮田知総監督が評した昨年度は、1度もタイトルをつかむことなく終わる悔しい幕切れに。最大の要因は〝自信のなさ〟。試合終盤の不安そうな選手の表情は、勝ち切ることのできないチームをどこか象徴していた。克服には「実戦をこなすしかない」(小池文彦監督)。今年度は練習試合の数をこれまでの倍近くに増やし、なおかつLIEBE栃木など全国トップクラスの社会人チームとも対戦。「個の力は昨年度より劣っている」(舘)チームは、自信とチームワークという最強の装備を身に着けた。こうして臨んだリーグ戦。主将の舘を中心にパスを主体としたプレーで、予選から他大を圧倒。追い求めた〝強さ〟を、最高の形で示した。

 7月には全日本大学王座決定戦が行われる。明大は優勝経験がなく、また直近は2年連続で初戦敗退。決して相性のいい大会とはいえないが「優勝一択で狙っていく」(舘)。見据える場所はそう遠くないはずだ。


【高野順平】


◆舘 亮佑(たち・りょうすけ)福井県出身。165㌢60㌔

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