溝畑 不完全燃焼の銀 ジャパンオープンで取り戻す

2019.05.15

 世界への挑戦権まであと0・7秒だった。7月に行われる世界選手権の選考を兼ねた今大会。200㍍個人メドレーに出場した溝畑樹蘭(政経3=報徳学園)は1分58秒66のタイムで2位を獲得し、表彰台に上がった。しかし、世界選手権の出場条件である派遣標準記録・1分57秒98には届かず。惜しくも代表入りを逃した。

届かない高み

 準決勝を2位で通過し迎えた決勝。「前半で攻める」の言葉通り、100㍍通過時のタイムで前を泳ぐ瀬戸大也(ANA)との差は0・8秒。得意の自由形を残し好位置に付けた。だが「前半の攻めを持たせられなかった」。後半でタイムを伸ばすことができず瀬戸に2秒の差をつけられての2位。派遣標準記録にも0・7秒届かず、決して理想的ではない結果となった。


砕かれた自信

 昨年度はパンパシフィック選手権、アジア選手権でフリーリレーの日本代表に選出。日の丸を背負い、世界の大舞台でメダル獲得に貢献した。それだけに「並んでいれば勝てる」と自由形には絶対の自信を持っていた。しかし、今年の3月頃から「泳ぎ方なのか、体力的な面なのか、理想の泳ぎができていない」。改善のため、平地で泳ぐ距離を増やし持久力アップを図った。さらにトレーナーと何度もフォームの調整を行うも「自由形だけが理想に近づかなかった」ともがき苦しむ日々。泳ぎの違和感を除けないまま迎えた本番では「後半伸びてくるところで伸びてこなかった」。自由形のラップタイムは過去に出場した日本選手権の中で最も遅い記録に終わった。同様に代表入りを目指していた100㍍自由形では、決勝に進出することすらかなわなかった。


自由形復調へ

 残された代表枠は一つ。5月30日から行われるジャパンオープンが勝負の場となる。日本選手権、3種目で優勝を成し遂げた瀬戸も「派遣記録を切ってくると思っていた。ジャパンオープンで(派遣記録を)切って、夏一緒に戦いたい」と期待する。「前3種目は良い調子できている。あとは自由形だけ」。自由形までの記録は昨年度の日本選手権から0・4秒近く更新しており、結果は一長一短だった今大会。やはり世界選手権出場へのカギは自由形の復調だ。「不安要素をつぶして臨む」。不調の暗闇を脱出しジャパンオープンで世界への挑戦権をモノにしたい。


【岩田純】


◆溝畑樹蘭(みぞはた・じゅらん)兵庫県出身。昨年度、パンパシフィック選手権、アジア選手権400㍍フリーリレー日本代表。182㌢・72㌔

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