
ケガの功名 武器豊富に 増山アジア金
東京五輪出場へ一歩前進だ。アジア最高峰の大会で増山香補(政経3=修徳)が個人戦、混合団体戦ともに制覇。国際大会でも安定した強さを発揮した。
◆4・20~23アジアパシフィック選手権(UAE・フジャイラ)▼90㌔級❶増山
挫折からの復活
昨年10月に行われた世界ジュニア選手権で足首と手首のじん帯を損傷し、選手生命を断たれかけた。それでも、療養中に「逆技を覚えろ」と周囲から助言をもらい、技のバリエーションを増やした。ケガを乗り越え、復帰戦となった今大会。順当に勝ち進み、準々決勝はガク・ドンハン(韓国)と対戦した。昨年度、リオ五輪金メダリストのベイカー茉秋(日本中央競馬会)にも土をつけた実力者を前に「負けるとしたらこの選手だった」。延長2分4秒。「コツコツ攻めて得意技をかけるスタイル」(猿渡琢海前監督)を貫き、背負い投げで優勢勝ち。得意技がさえ、アジア初制覇をしてみせた。
「釣り手1本でも(背負い投げに)入れる」(中濱真吾監督)。並外れた体の力と、肩の可動域の広さを柔道人生の中で築き上げてきた。国際大会では4大会中3大会で優勝と結果を残しているが「日本人に勝ち切るのが課題」(中濱監督)。東京五輪出場枠を懸け大混戦の90㌔級。「今年1年何としても諦めたくない」。大一番で本領を発揮する気持ちの強さで、東京五輪への道を切り開く。
【荒川千那】
◆増山香補(ましやま・こうすけ)東京都出身。現地で教会から大音量の曲が流れてびっくり。異国情緒を感じた。180㌢90㌔
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