(24)ルーキー特集 第2弾 ~山隈太一朗編Ⅳ~「果敢に挑む姿勢」

毎年恒例のルーキー企画も今年で3年目。今年度のルーキーたちはかつてないほど強者ぞろいで、ファンの期待も高まっていることだろう。2人目は兵庫県から上京を果たした山隈太一朗(営1=芦屋国際)。今年度は全日本選手権で最終グループ入りを目指し、飛躍が期待される。

(この取材は3月11日に行われたものです)

 

――インターハイで優勝したのはここがうまくいったからというのはありますか。

「あまり変なことを思わなかったからです。勝てるとかジュニアの中にいたらとか、そういう気持ちがインハイに入る前からジュニアの試合に出るということは、そういうもともと悪かった感情が出てくるかもしれないし。だから感情との戦いだなと思ってインハイに臨みました。本当に最後まで優勝できるかもとか、勝てるかもしれないとか一切考えずにインハイと国体の連戦を最後に先生と笑って終わりたいというだけでやっていました」

――高校3年間で自分の中で一番成長したところはどこですか。

「身長とメンタルです。身長は伸びたなと思うし、本当にメンタルの成長が感じられたのは国体終わってからなので、シーズン終わってから少し無駄なことを考えなくてよくなりました。あとすごく前向きになれてきたので、そこが成長したかなと思います」

――身長は何センチ伸びましたか。

「今177センチあるのですが、ちょうど高校1年生の時が165センチくらいだったので、結構伸びたなという感じです」

――フィギュアの選手では身長が低い人が多いが、高いのは純粋に嬉しいですか。

「とても嬉しいです。海外の選手が結構大きかったりするから、海外試合に行った時に身長の高い人に囲まれるとちょっとしゅんとなってしまうので…。高かったらいいのになと思うことが結構あったので、そこはいいなと思います」

――今年度のショートプログラムは難しい曲でしたが、滑るのは大変でしたか。

「大変です。今も大変です。本当に難しい曲で、自分の持つイメージで滑ってもそれがうまく表現できていないことが多いです。音楽のテンポが取りにくいし、拍も変わるし、結構突然の変化が起こる曲だからです。とにかくこの曲に正解はないなと思ったので、これから毎日演技してこんな感じかなというように滑っていきたいです」

 

――曲は誰が選んでいますか。

「母のチョイスが多いです。僕が探している途中に母が「これがいいんじゃない」と言って聞いて、これだ!というのが結構あります。母決めるのはいつも僕なのですが、やはり提案はほぼ母ですね」

――曲について考えるのはお好きですか。

 「好きです。曲を聴いて、僕だったらこういう振り付けだなとかは結構考えます」

――誰もやっていないものをやりたいという気持ちが大きいのでしょうか。

 「そうです。人がやっているものとか、曲被りするのは少し嫌です。せっかくやるならイメージのつかないものをやるのが面白いというのはあります」

――誰かがやったものは選ばないようにしているのですね。

 「そうですね。あまり選ばないようにしています。使いたいなと思うことは何回もあります。スケートで表現しやすかったりするからやりたいなと思うことはあります。でもそれで選んだことはないです」

 

――例えばどのような曲をやりたいですか。

 「ありきたりなのですけど、レ・ミゼラブルとかをすごくやりたいです。他の人の演技を見ていて、僕だったらこうするなと思う曲だからです。でも選ぶ人が多いので聞き飽きたと思うし、やることは多分ないです」

[中澤美月]

◆山隈 太一朗(やまくま・たいちろう)営1、芦屋国際、177センチ、67キロ

 

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