
(18)ルーキー特集 第1弾 ~樋口新葉編Ⅲ~「もどかしかったリハビリ期間」
毎年恒例のルーキー企画も今年で3年目。今年度のルーキーたちはかつてないほど強者ぞろいで、ファンの期待も高まっていることだろう。1人目は世界選手権2位などの実績を持ち、世界でも活躍する樋口新葉(商1=開智日本橋学園)を取り上げる。新星たちの4年間に注目だ。
(この取材は3月11日に行われたものです)
――プログラムを考える中でこだわりはありますか。
「まずは点数の取りやすいようなプログラムにします。ジャンプの前に多くのステップを入れ、あとは見ている人が面白いと思え、もう終わってしまったのだと思ってもらえるようなプログラムを作ってもらうようにしています」
――毎年、納得したプログラムで滑れていますか。
「昨年度はいろいろと忙しかったので、感情移入してプログラムを自分で分析して滑ることができなかったかなと思います。それまでのシーズンはどういう気持ちで滑れば良いのかを考えながら滑れていたかなと思います」
――特に思い入れのあるプログラムはありますか。
「平昌五輪シーズンの『007』は自分も滑っていて楽しかったですし、すごくいい評価をもらったプログラムなので思い出に残っています」
――特にこだわった部分はどこですか。
「まずキムヨナさんが使っていた曲で、自分も使いたいなと思っていました。物語がある曲だと自分も感情を入れやすく、分かりやすいと思うのでそのようなことを考えながら振り付けしてもらいました」
――昨シーズンはトータルとしてどうでしたか。
「ケガがあり結果を出せなかったのですけれど、それも経験です。無駄にはなっていないと思うので、どんどんプラスに捉えていきたいと思います。もうケガをしないようにするために自分の体と向き合って、少しでも異変があったりしたら言うようになりました」
――ケガの影響は大きかったですか。
「ケガの期間はできることが少ないですけれど、逆に捉えたらできることが少ない中でもそのことだけに集中できるといういい機会でもあるので、スケート以外からスケートがうまくいくようにすること、トレーニングやリハビリなどを頑張りました」
――ケガの期間はどのような練習をしていましたか。
「ジャンプ以外の練習です。スピンやステップの練習、スケーティングを頑張って、あとは体力が落ちないように曲かけをしてやってきました」
――もどかしさは感じましたか。
「周りがジャンプなどをたくさん跳んでいる中で、自分だけ跳べないというのがもどかしかったです。元気な状態で全部できている状態だったら、疲れた!となりますけれど、できないときは地味な練習が続くので、ジャンプを跳びたいなと思っていました」
――昨シーズンの選曲の理由は何でしょうか。
「ショートプログラム(SP)に関しては自分が今までやったことのないジャンルで踊ってみたいのが1番で、フリースケーティング(FS)に関しては(北京五輪までの)4年の中の最初の1年だったので、新しい気持ちで自分が滑れるような曲にしてほしいというように振付師の方に頼みました。ただ、1回曲を変えてまた全日本までに頑張ってきたのですけれど、シーズンの途中に曲を変えてしまうことの大変さを初めて知ってもう2度とこんなことはしたくないなと感じました」
――どういった点で苦労を感じましたか。
「わざわざ海外に行って振り付けをしなければならないので、その期間がシーズン中にもう1回初めからとなると体力も落ちてしまいますし、自分の体の動きも全然違うのでそれがとても大変でした」
――海外遠征は大変ですか。
「時差ボケと飛行機の時間が1番きついです。到着して2、3日は寝れないですし、早く眠くなってしまったりします。飛行機にずっと乗っているので体のむくみだったりだるさが残って練習は動きづらいと思います」
――疲労ケアアイテムはありますか。
「疲労ケアいうほどではないですけれど、加湿器は毎回持っていくようにしています。あとは飛行機の中を散歩したりストレッチしたりしています」
[中野拓土]
♥樋口 新葉(ひぐち・わかば)商1、開智日本橋学園、152センチ
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