
(12)無良崇人氏インタビュー②
4月1日に発行しました『明大スポーツ 新入生歓迎号』で無良崇人氏の談話を掲載させていただきましたが、紙面の都合で載せることができないコメントが多くありました。ぜひたくさんの人に読んでいただきたい旨を伝えたところ、無良氏からご快諾いただけたので、こちらに掲載致します。
――山隈太一朗(営1=芦屋国際)はどのような選手ですか。
「現在のスケート界を見ていると女子の選手もトリプルアクセルを跳ぶようになってきていて、また話題に上がっています。そのトリプルアクセルが彼の場合はダイナミックでとても高さも幅もあり、間近で見るとすごいと思わせるようなジャンプを跳べる選手だと思います。昨シーズンは「ラ・ラ・ランド」の曲を使っていて、映画の情景が思い浮かぶような滑りができていたと思います」
――無良さんも高さのあるジャンプが武器でしたが。
「そういう部分は似ているかもしれないですね」
――山隈選手の今後の課題は何でしょうか。
「男子は4回転を試合で入れていかないといけない時代になってきているので、4回転を習得するのは必要になってくると思います。全体を通してのレベルアップというのは毎年どの選手にも言えることですけれど、山隈選手もやっていかないといけないと見ていて思いますし、自分も昨シーズンより来シーズンの方がここが良くなったと思ってもらえるようにすることを考えてやっていたので、一つ一つをレベルアップさせるということはすべきだと思います」
――昨年度のインカレ(日本氷上学生選手権)を解説されていましたが、明治大学の印象はいかがですか。
「明治がインカレで優勝する確率は昔からとても高いです。全日本選手権の一番上よりは少し下になりますけれど、ちょうど中間の位置でしっかり演技ができる選手が人数そろっているというのは、インカレで優勝できる理由だと思います。そういう意味では男子で昨年度出場していた3人は技術的な部分でもう少し伸びればいいなと思う部分はそれぞれあり、それぞれジャンプが安定していなかったりという部分はありますけれど、それぞれ個性があって見ていてとても面白いと思います。そういう選手がそろっているので、来シーズンに向けてもう一伸びしてほしいなという気持ちはあります」
――無良さんが考える学生スケートの魅力というのは何でしょうか。
「普通の試合は個人で戦っているので個人の順位で何位という結果になってきますけれど、インカレの場合は3人が出場して、その上で出た選手の順位の数が少ない方が上にくる学校同士での戦いになります。そういう部分がいつもは一人で戦っているけれども、同じ大学の選手、チームメイトと一緒に試合でいい順位を取ろうという団結ができるというところが、インカレの普通の試合と違うところだと思います。普通よりもさらに応援の仕方がインカレは独特なのが不思議な感じだなと思っていました。とても新鮮でした」
[大西健太]
◆無良崇人(むら・たかひと)
中京大出身。世界屈指の高さと幅を誇るトリプルアクセルを武器に活躍。2014年度四大陸選手権優勝など、国内外で数々の好成績を挙げてきた。2018年に現役引退後は解説者、プロフィギュアスケーターとして活躍中。
※無良氏の談話が掲載された「明大スポーツ新聞部 新入生歓迎号」をお買い求めの方はこちらをご覧ください。
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