(11)無良崇人氏インタビュー①
4月1日に発行しました『明大スポーツ 新入生歓迎号』で無良崇人氏の談話を掲載させていただきましたが、紙面の都合で載せることができないコメントが多くありました。ぜひたくさんの人に読んでいただきたい旨を伝えたところ、無良氏からご快諾いただけたので、こちらに掲載致します。
――樋口新葉(商1=開智日本橋学園)は平昌五輪に次点という形で代表から漏れてしまいました。無良さんも同じ次点での落選でしたが、その時の心境はいかがでしたか。
「やはり五輪にいけるか、いけないかということを決める試合を勝ち抜けることが、そもそも選考を行なっている理由だと思っています。僕自身そこに至らなかったレベルだったので、仕方ないかなという気持ちではありました。しかし、樋口選手の場合は失敗をしなければいけるというところにいたので、なお悔しかっただろうなというのは見ていて強く思いました」
――無良さんにとっての五輪とはどのようなものだったのでしょうか。
「やはりスポーツ選手であれば、五輪という場所で試合をするというのは選手人生の中での一番の目標とされることが本当に多いです。ただ、五輪は一握りの人しか出ることができないですし、その中で選ばれるというのは代表として戦えるだけの実力と実績があると思うので、そういうところが憧れの試合と思う所以なのかなと思います」
――樋口選手はこれまで通り神宮を拠点に練習を続けますが、東京を拠点とするメリットは何でしょうか。
「環境の部分でいうと、逆に東京の方が少し厳しい部分があるのではないかと思います。今は西日本の選手がとても強いということもありますけれど、練習環境やスケートリンクがないと練習もできないです。そういう中で西日本の方が大学にスケートリンクがある学校もあり、一般のお客さんが入る時間がないのでずっと練習しようと思えば集中して練習できる環境があります。逆に東京は限られた時間の中でしか練習ができないです。その代わりにいろいろなトレーニングやリンク環境以外の競技に携わる、例えば体のケアはいろいろな施設が都内にあるので、トラブルが起こった時でもすぐにいろいろなことに対応ができるのが競技をやる上ではとても良いことなのだと思います。あとは師事しているコーチのいる場所も関係してきます。この先生に習いたいという気持ちがあるのであれば、都内になると思います」
――コーチはスケートを続ける上で重要でしょうか。
「ジャンプの飛び方や試合に向けてコントロールしていくことは、いろいろ先生によって全然違うやり方なので、そういうところで自分に合うコーチと選手と関係性で競技をやっていくので、そういう意味ではコーチの選択は競技をする上で大事なことだと思います」
[大西健太]
◆無良崇人(むら・たかひと)
中京大出身。世界屈指の高さと幅を誇るトリプルアクセルを武器に活躍。2014年度四大陸選手権優勝など、国内外で数々の好成績を挙げてきた。2018年に現役引退後は解説者、プロフィギュアスケーターとして活躍中。
※無良氏の談話が掲載された「明大スポーツ新聞部 新入生歓迎号」をお買い求めの方はこちらをご覧ください。
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