22年ぶり頂点へ 再出発

2018.12.19

 3年ぶりの優勝にはわずかに届かなかった。関東大学対抗戦(以下、対抗戦)最終節、早稲田との伝統の一戦。先制トライを許すと一度もリードを奪うことができないまま敗戦を喫した。この結果により4位扱いとなったが、日本一への課題を得ることができた。


◆12・2 関東大学対抗戦(秩父宮ラグビー場)

▼対早稲田戦

 明治27{13―17、14―14}31早稲田○


追い上げ実らず

 あと一歩及ばなかった。13―31と大きくリードを許し迎えた後半37分。敵陣でパスを受けた松岡賢太(商3=京都成章)が相手ディフェンス2人を振り切り、ゴール中央にグラウンディング。そのわずか4分後、フルバック雲山弘貴(政経1=報徳学園)がインゴールへと手を伸ばし追加点を挙げた。27―31とし1トライで逆転可能な点差まで追い詰めた。しかし、後半44分にペナルティーを犯し相手ボールからの再開に。ボールは外へと蹴り出され、試合終了となった。勝てば優勝の大一番だっただけに「悔しい一戦だった」(田中澄憲監督)。この敗戦により明治は4位扱い。今回の対抗戦は王者に勝ち切る自信を得た一方で、課題も明確に表れた大会になった。


封じられた強み

 得意のゲームメークを生かせなかった。「スクラムから流れをつくっていきたい」(スクラムハーフ福田健太主将・法4=茗溪学園)というイメージで試合に臨んだ。しかし、相手ボールスクラムではナンバー8のサイドアタックに苦戦。さらに後半11分、ゴール前チャンスの場面のスクラムでは痛恨の反則。本来強みとしているスクラムを十分に生かせなかった。

 また「堅くいき過ぎた」(田中監督)。前半はPG(ペナルティーゴール)で点を重ねる戦術やFW陣のボールキープに終始するも主導権は握れず。強力ディフェンスが持ち味の早稲田に対し得点を重ねられなかった。


悲願の日本一へ

 それでも、収穫は大きかった。試合終了間際での連続トライ。後半から実践した積極的にボールを動かすラグビーが功を奏し、気迫の追い上げを見せた。結果的には及ばなかったものの「後半のアタックを選手権に向けて磨いていく」(田中監督)と、大学日本一に向けて修正のビジョンははっきりと見えている。大阪で行われている全国大学選手権(以下、選手権)。立命大との一戦では課題の立ち上がりを克服し50―19で快勝。「1月12日に勝って優勝する」(福田健)と日本一へのビジョンを改めて示した。激戦必至、負けたら終わりのトーナメントを制し、その先の日本一へ。福田組は歩みを止めない。

【清水康佑】