
2年連続3冠へ王手かけた 秋リーグ大逆転V
◆9・8~11・25関東大学リーグ戦(ダイドードリンコアイスアリーナ)▼❶明大
全身全霊
絶対王者は窮地に立たされていた。明大が勝ち点1以上を獲得しなければ勝が消える順位決定リーグ・中大戦。第3ピリオド残り6分、2―3とビハインドの展開。そんな中、チームに希望の光をもたらしたのはFW松本昂大(商4=北海道清水)だった。「やるしかなかった」。相手GK前にこぼれたパックを押し込み同点に。試合はGWS(ゲームウイニングショット)戦の末敗れたが、勝ち点1を獲得。「欲しいときに決めてくれるのが昂大」(DF相馬秀斗・法4=駒大苫小牧)。優勝に望みをつなぐ値千金のゴールだった。
最後のシーズンに目の色を変えた。「僕の人生で一生懸命になれるホッケーはこれが最後」(松本)。それ故に、大学最後のシーズンにかける思いは強かった。しかし、予選リーグで早大、東洋大と連敗を喫し優勝に黄色信号がともる。普段は人望も厚く、性格も非常に温厚な松本。しかし、その時ばかりは「もっと一生懸命やれ、試合に出ているだけで満足なのか」と、叱咤(しった)した。その言葉に「スイッチが入った」(GK香田凌辰・政経2=白樺学園)と、下級生も奮起。続く予選リーグ・中大戦では勝利を収め連敗を脱出した。「誰がではなくみんなで明大」(松本)と心を一つに。崖っぷちから、リーグ連覇の栄冠をつかみ取った。
2年連続3冠の偉業達成へ、残すはインカレだ。負けたら終わりの一発勝負に「死ぬほど追い込む」(FW高橋瞬主将・政経4=白樺学園)と、もう一度チームを引き締める。結果で示してきた絶対王者に二言はない。北の大地でも明大校歌をとどろかす。
【藤山由理】
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