(26)~4年の足跡~ 中尾将大「諦めない姿勢を下の選手に見せたい」
〝個の強い世代〟と言われる4年生。本企画では紫紺を目指し戦った彼らの足跡をたどっていく。第9回は、ラストシーズンでケガに苦しみながら献身的にチームを支える中尾将大(商4=つくば秀英)。下のチームでの出場が続く中で、中尾が自らに課した役割について伺った。
――秋シーズンを振り返っていかがですか。
「夏合宿終わってから、みんなで積み上げてきたもののクオリティーを、秋本番に向けて、上のチームから下のカテゴリーのチームまで全員で精度高くできてきていると思います」
――ご自身は下のチームで出場されている中で、4年生としての役割をどう捉えていますか。
「ただ口で言うだけではなくて、プレーで引っ張っていきたいと思います。試合中のピンチのときに、チームを向上させていけるようなコミュニケーションを取るように心掛けています。下のチームは一人一人レベルも違って、その中で明治のスタンダードのラグビーを全員でやるというのを目指していかなければなりません。意見の違いも多少はあるので、そういうところを一つにまとめるのは大変です」
――今取り組んでいることは何ですか。
「この間の試合が復帰戦で、眼窩底(がんかてい)の手術が終わったばかりです。試合もなくなってしまうけれど、そういう中でも最後まで諦めない姿勢というのを下の選手にも見せられたらと思います。ケガをした中でも自分にできることをやることを心掛けてきました。コンタクトできなくても、フィットネスとか自分のできる練習の中で、自分自身もそこで腐ったりしないように強い気持ちを持ってやってきました。言い方は悪いですが、試合がなくなってしまえば、他の大学のチームなら試合に出られない人は『シーズン終わりだし』ってなると思います。ですが、明治が日本一になるためには、全員が下のチームまで最後の1月12日の試合まで全力でやり続けることが大事だと思います。福田健太(法4=茗渓学園)を胴上げするために4年全員で一つになって、練習だけじゃなくて、寮の中での生活でも手本になれるようにしていけたらと思います」
――座右の銘〝努力は運を支配する〟について教えて下さい。
「中学校の頃のクラブチームの恩師にいただいた宿沢広朗さんの本のタイトルです。例えば試合中に裏に蹴ったグラバーのボールが弾んで自分に転がってきてトライしたら、パッと見は運に見えるけれど、全員が一瞬の奇跡を生むために数え切れないほどの努力をしていて、それは何回も何十回も続けてきた努力の成果であるということです」
――4年間で成長したことは何ですか。
「ラグビーの面でも多少なりとも成長できたと思いますし、人間的にも強くて厳しい環境でもまれることで成長できたと思います」
――今の目標は何ですか。
「自分が出られていないこと関係なしに大学日本一になることが目標です。そこに向けて最後まで体を張って仕事ができるように頑張りたいです」
――中尾選手にとって〝Exceed〟とは何ですか。
「一日一日自分を超えていくという文字通りのことや、チームとして明治の歴史を変えるという決意だと思います」
――ありがとうございました。
[藤里陽]
◆中尾 将大(なかお・まさひろ)商4 つくば秀英高 188センチ・103キロ
あだ名は〝ゴッド〟。Twitterでファンから「怪物くん」と言われていたことをきっかけに、なぜか小宮カズミ(文4=目黒学院)から〝ゴッド〟と呼ばれるようになった。怪物くんがゴッドになった理由は「カズミに聞かないと分からない」とのこと
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