(13)~インカレ直前特集~ 栗田大輔監督インタビュー

2018.12.13

 関東第5代表のシードとして10年連続18回目の出場が決まったインカレ。本特集では12月8日から全7回で、4年生3組の対談、4年生マネジャー対談、池上礼一コーチ、栗田大輔監督のインタビューをお届けします。明大の初戦である15日の前日には展望記事を掲載します。
 第5回は、監督に就任して4年目のシーズンとなった栗田監督のインタビューです。(この取材は12月1日に行ったものです)


――今季を振り返ってみていかがですか。

 「総理大臣杯優勝という一つのタイトルを取れたのは、すごく大きいことです。また、Iリーグと新人戦でも全国大会に進出したので、それぞれ三つのカテゴリーでほぼ全員が全国大会に出たことになります。トップもセカンドもみんなが一生懸命やっていることが結果につながったのは、本当に良いことだと思います。だけど、リーグ戦はむら気のある試合が多かったので、反省点が多いです」


――今季全体で頭角を現してきたと思われる選手はいらっしゃいますか。

 「DF中村帆高(法3=日大藤沢)は起用し続けて、全日本大学選抜にも選ばれたりしています。そういう意味では、伸びてきている一人だと思うし、FW小柏剛(商2=大宮アルディージャユース)も安定して出てきています。新人戦を考えると、2年生が充実してきたという印象があります」


――監督として大事にされていることはありますか。

 「自ら考える力です。学生スポーツなので、そこを培ってあげたいと思っています」


――自ら考える力を育てるために実践していることはありますか。

 「答えを言わないことです。気付かせるためのヒントを言うことはありますが。いろいろなチャレンジができる環境を作ってあげることが大事かなと思います」


――栗田監督は会社勤めと監督を両立され、休みなしのストイックな生活をされていますが、その原動力はどこにあるのでしょうか。

 「まずはサッカーが好きですからね。それと、学生が頑張っているので。〝明治から世界へ〟ではないけど、別にサッカー選手でなくても、社会人でも何でも、次のステージで羽ばたいていけるような大人にしたい。みんな若い時は夢の塊なので、そういう可能性を引き出してあげたいと思っています。あとは、家族の協力です。『何いつもサッカーばっかりやってるの』って言われたら何もできないですから(笑)」


――大学サッカーは高校サッカーと比べても観客数が少なかったりします。その中で大学サッカーの魅力はどこにあるとお考えですか。

 「高校生までは、監督主体になっていたりするところが多いと思います。でも大学生は20歳を境に法律的にも大人になります。だからより自分で考える力が求められるカテゴリーで、そここそが一番の魅力。やはりサッカーの成長だけでなく人間の部分の成長を一番見られるのが大学生です」


――それはプロにもないところですね。

 「プロはもう仕事だから、サッカーに特化してやらないといけない。でも大学サッカーにはお金が絡んでないのでね。だからこそもっと純粋にいろんなものに向き合えるし、やり切れます。あとは僕自身もサッカーをずっとやっていますが、仕事もやっているので、サッカーという世界がすごく狭い世界だというのは分かっています。例えば総理大臣杯で優勝しても、それを知っているのは1万人に1人いるかいないかくらいだと思う。『俺ら優勝したからすごいでしょ』というのは勘違いです。そういうことを知っていくことが、すごく大事なことですね。大学で、いろんな面からサッカーを捉えて向き合っていって、改めてそれでもサッカーをやりたいってなると、サッカーへの覚悟が変わってくるし、プロになった時もまた違うと思います」


――明治でどういうものを追求していきたいですか。

 「サッカーで言えば、1人でも世界に羽ばたけるような選手、強い個人を追求してみたいです。それと、特徴のある選手をつくりたいので、みんなの個性を消したくないと思っています。あとチームとしては、天皇杯でJチームとチャレンジして勝てるようなチームを作ってみたいと思っています。明治のサッカーを見ている人が面白いなと思えるようなサッカーを追求したいです」


――インカレへの思いを教えてください。

 「僕自身としてもタイトルを獲得していないインカレを取りたいとは思っていますし、インカレは4年生にとって最後の大会です。でも、最後だから頑張ろうという視点でやっていると負けてしまうと思う。日常の中の1ページにインカレも置かないと。特別な感情が入ってくると、たぶんぶれてしまいます」


――そこから逆算して今足りないところはどこでしょうか。

 「一つは勝負強さ、二つ目は決定力、三つ目は失点ゼロ。その三つは徹底的に追求したいです。もう一つ、明治がこだわっている部分は、三原則や個人の仕掛けや力強さ。そこの部分は絶対進化させたいなと思っています」


――監督としてできることは何だとお考えでしょうか。

 「僕が一番勝ちたいと思うこと。誰よりも勝負にこだわる。そう思いながら選手に任せるということが大事だと。僕は勝ちにこだわるけど、やるのは選手だから、そこの部分を我慢することだと思います」


――ありがとうございました。


 次回は池上礼一コーチのインタビューと、インカレの展望記事をお送りします。更新は明日12月14日です。お楽しみに!

インカレ初戦まであと2日!


[亀井笙子]