全日本9位 後半に失速も古豪復活の兆し

2018.11.28

 紫紺の襷が躍動した。1年ぶりの駅伝となった今年度の全日本駅伝。明大は2区・阿部弘輝(政経3=学校法人石川)の8人抜きから流れに乗った。今年度から8校に与えられるシードは逃し9位となったが、昨年度15位に甘んじた明大の面影は見られなかった。


◆11・4 第50回全日本大学駅伝対校選手権(熱田神宮西門前~伊勢神宮内宮宇治橋前)▼❾明大(5時間20分37秒)


箱根へ期待大

 古豪復活へ歩みを進めた。昨年度は2区終了時点で23位とシード争いすらできなかったが、今年度はトップと25秒差の6位につけた。山本佑樹駅伝監督は「前半は前の方でレースを進め、駅伝の流れを経験させる」と、1年生ながら主力に定着した鈴木聖人(政経1=水城)と阿部を1・2区に並べる前半型の布陣を敷いた。鈴木は区間15位ながらも前との差を最小限にとどめ、阿部はエースらしい走りで後続に流れをつくった。

 初駅伝メンバーの好走も光った。4区・小袖英人(政経2=八戸学院光星)は積極的な走りで途中まで3位争いを演じ、5~7区も全員が初出走ながらシード圏内を死守。アンカーの佐々木大輔(営3=八千代松陰)が順位こそ落としたものの、3年ぶりの1桁順位と成長を見せた。また「ペース配分とスタミナが足りない」(小袖)と、それぞれに課題も見つかり、箱根までに修正を図る。

 目標に掲げる箱根駅伝のシード獲得が現実味を帯びてきた。課題だった中間層の底上げが見られ、経験という何物にも代え難い武器も得た。また、箱根4区を学生連合として走った中島大就(商3=世羅)ら欠場した主力が復調してくれば、戦力はより一層厚みを増す。激動の一戦に確かな収穫を得て、大一番へ動きだす。

【川和健太郎】