
中原『一生剣命』貫いた4年 悔いなし女子団体準優勝
一枚岩で準優勝をつかんだ。9月に行われた関東女子学生優勝大会で創部初の優勝を遂げた明大。今大会も決勝戦まで勝ち進んだが、鹿屋体大に敗れ準優勝に終わった。頂点にこそ届かなかったが中原光紗(法4=八代白百合)を中心とした結束が十分に見られた大会となった。
◆11・11 第37回全日本女子学生優勝大会(春日井市総合体育館)
▼明大――準優勝
チームを支える柱
決勝は大将戦を終えても決着がつかず、勝負の行方は藤﨑薫子(営3=島原)の代表戦に託された。中原は両手を合わせて祈るように試合を見つめた。「薫子ならいける」。結果はメンを決められ、敗戦となったものの「薫子が負けても全く悔いはない」(中原)と励ましの言葉を掛けた。一心に思い続け、誰よりも声援を送る姿は、チームを一番に考える中原の性格を如実に表した。明るく、面倒見のいい中原は「お母さんみたいな人」(藤﨑)。力が振るわない後輩には「大丈夫。おまえなら次は勝てるよ」と鼓舞。道場を離れても「よく後輩と遊びに行く」。コミュニケーションを欠かさず、チームの精神的支柱であった。
私にしかない強み
恩師の助言を糧にした。4年生世代は大亀杏選手(平29商卒・現パナソニック)や藤﨑、小松加奈(商2=東奥義塾)ら強い世代に挟まれた〝谷間世代〟。4年生となってからも個人戦で1人も全国に進めない状況に自信を失いかけた。それでも、亀井徹コーチの「取らせない剣道は中原にしかできない」という言葉が支えとなった。団体戦において〝負けない剣道〟は大きな強みとなる。「自分にも取りえがあると気付いた」(中原)と、積極的な攻撃の中にもスキをつくらないスタイルを確立。3年次以降、団体戦での負けはわずか1回。今大会では全試合に出場した唯一の4年生として無敗を貫き、自分の役割を全うした。
亡き父が心の支え
いつも心にとどめている言葉がある。〝一生剣命〟。小学4年次に亡くなった父が最期まで剣道を続けていた姿を見て母と考えた言葉だ。たとえ落ち込んでいても「もし父がこんな自分を見たら悲しむだろう」と笑顔を忘れなかった。「日本一になる」という約束を果たすため、16年間剣道を続けてきた。大学最後の大会は日本一を逃したが「達成感は十分。来年優勝できたら私もうれしい」。今後も実業団で剣道を続ける中原。「後輩の目標になれる先輩でありたい」。この先も日本一を目指し〝一生剣命〟を貫く。
【素宮愛結】
♥中原光紗(なかはら・ありさ)熊本県出身。趣味は映画鑑賞。好きな映画は『黄泉がえり』『トイ・ストーリー』シリーズ。164㌢
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