齋藤直人(早大) 日の丸背負った経験糧に

2018.11.28

 「この1年間やってきたラグビーに自信がある」。

 1年次から赤黒の9番を背負い、数々の代表を経験してきたスクラムハーフ齋藤直人(スポ3=桐蔭学園)は明早戦へ向け、強く答えた。


 「自分はネガティブなタイプ。でもだからこそ準備は人以上に行うので、試合になると自信に変わっていきます」。

 普段は内気で穏やかな性格。しかし、グラウンドに立てば力強く声を掛け、チームの生命線へと変わる。この男がキーマンになるに違いない。今春、齋藤は日本代表候補として世界へと向かった。来秋のW杯に向けた選考でもあるニュージーランド遠征。


 「何週間かをあのメンバーやスタッフと過ごせたのは貴重な経験でした。その反面、実力的に劣っていることを痛感しました」。

 外国人選手もいる中で、自ら意思を伝えることにも苦労した。さらに、帰国後にはトップリーグ王者・サントリーサンゴリアスの練習生としての経験も得た。


 「準備から本気で、妥協しない意識の違いを感じました」。

 スキル面だけでなく、王者でありながら挑戦者のマインドを貫く姿勢に刺激を受けた。ハイレベルな環境下でもまれた齋藤が


 「このレベルで満足してはいけないという意欲を持って帰ってきてくれた」(相良監督)。

 だが、こうした経験をチームメートに直接伝えることはしない。


 「自分が意識を変えて臨んでいる姿を見て学んでもらえたら。口で言って伝えられるものではないと思うんです」。

 「キーマンは、やはり福田(健太・法4=茗溪学園)さんです。自分とはタイプが違いますが、とてもうまく攻撃的に仕掛けてくるイメージ。そこに対していかにプレッシャーをかけられるかが重要になります」。

 同じポジションの齋藤がどれだけチームを引っ張っていけるか、早稲田の勝利はこの存在なしでは考えられない。

【東後太一】