髙橋汰地 敵陣貫く韋駄天

2018.11.28

 ランもキャリーも一級品だ。今年度BKリーダーを務めているウイング髙橋汰地(政経4=常翔学園)。試合でのプレーだけでなく練習からチームを盛り上げ、強力なマークにも突破してみせる。


平成最後の怪物

 大舞台でも圧倒的な存在感を放った。前節・帝京大戦の後半3分。センター森勇登(政経2=東福岡)のキックパスに反応しトライ。相手ディフェンス6人を置き去りにし、まさに「髙橋汰だから取れたトライ」だった。優勝を占う一戦でも、50㍍走6秒1のスピードと鍛え抜かれたフィジカルでビッグゲインし、幾度となくチャンスを演出した。いつしかボールを持つと声援が沸き上がり、チームに欠かせない存在となっていた。


挫折からの再起

 1年次からAチームの試合に出場するが「良くも悪くも心に残っている」試合がある。昨年度の選手権決勝。ラストワンプレーでパスを受けた髙橋汰は突破を試みたが、密集で反則を取られ試合終了。「自分のせいで試合を終わらせてしまった」。大学生活で初めての挫折を経験し、落ち込む日々が続いた。それでも大学日本一のために「同じ思いはしたくない」という一心が突き動かす。練習から反則への意識付けをし、BKリーダー就任後「積極的に声を掛けてくれるようになった」(センター渡邉弐貴・営4=国学院栃木)。4年生の自覚も芽生え、ウエートトレーニングも自主的に行う。ラグビーへの姿勢の変化によって、次第に周りから信頼されるようになった。 

 明早戦では「フィジカルとスピード、両方生かしたトライをしたい」。ディフェンスを強化する早稲田に対し、密集の背後から相手をなぎ倒すプレーがどれだけ出せるか。大観衆の前で〝EXCEED〟した姿を見せるため、持ち前の快速と決定力で暴れ回る。

【髙橋昇吾】