上杉・鈴木成組 インカレ初制覇

2018.11.03

 女子創部初の快挙だ! 上杉夏美(商2=埼玉栄)・鈴木成美(商2=埼玉栄)組が、インカレの女子ダブルスを制した。明大からは同種目2年ぶりの決勝進出。決勝でインカレ団体準優勝の龍谷大ペアを2―0で下し、バドミントン部71年の歴史に新たな1ページを刻んだ。


◆101218 第69回全日本学生選手権(ハンナリーズアリーナ他)

▼女子ダブルス 上杉・鈴木成組――1位


注がれた熱視線
 シャトルが相手コートに落ちたのを確認すると、両手を上げて喜びを分かち合った。紫のウエアをまとった新・女王に、会場から祝福の拍手が巻き起こった。「優勝できると思っていなかったので……」(上杉)。少し戸惑った表情を見せながら一言。それも無理はない。結成からわずか半年、大学初タイトルがインカレ制覇。2人にとって、この優勝はまさに「奇跡」(鈴木成)だった。 「(緊張は)全くなかった。いつも通り」と、決勝でも平常心を保った。172㌢の長身から強烈なスマッシュを放つ上杉。素早く柔軟なプレーで、ネット際の攻防を制する鈴木成。いつも通り、あるいは〝いつも以上〟の勢いを、会場で見ていた誰もが感じていた。それは数字にも表れている。3点以上の連続得点は、上杉・鈴木成組が8回、一方の龍谷大ペアはわずか2回。「何を打っても決まる」(上杉)ほど神懸かっていた。

戦友であり親友
 同じ埼玉栄高出身の2人だが「ずっと一緒にいたわけではない」(上杉)。当時はお互い別々のペアで日々練習に励んでいた。急接近したのは大学入学後。同じ学部で同じ授業を履修し、練習中も常に一緒。帰りの電車まで同じで、長い日には1日約14時間も行動を共にするという。「最近は家族よりも一緒にいる存在」(上杉)。趣味は動画鑑賞、週1回は飲むほどのタピオカ好きと、全てにおいて波長が合った。
 この仲の良さこそが最大の武器だ。ダブルスには相方のミスもつきもの。お互いに責任を押し付け合って、本来の実力を発揮できないケースも多い。しかし、上杉・鈴木成組は、一方がミスをしても笑顔。そして、サーブ前には必ず目を合わせて声を掛ける。お互いを理解しているからこそ「組みやすい」(上杉)。築き上げた深い信頼関係が強さの原動力になっている。この優勝は2人にとって通過点。個々の技術とコンビネーションは、まだまだ伸びしろ十分だ。いずれは「インカレ3連覇、団体戦でも優勝」。最後も息ぴったりで宣言した。

【桐山雄希】

♥上杉夏美(うえすぎ・なつみ)広島県出身。『LUMINE1』地下2階にある『THEALLEY』のタピオカがお気に入り。172㌢

♥鈴木成美(すずき・なるみ)埼玉県出身。実は大会期間中に発熱。3回戦の翌日は丸一日ホテルで寝ていた。155㌢