二ノ宮 10年ぶりインカレ王者

2018.09.26

 悲願の初優勝だ! 学生日本一を決める今大会。二ノ宮寛斗(営3=岐南工)がフリースタイル97㌔級で優勝し、明大に10年ぶりの栄冠をもたらした。


◆8・28~31 全日本学生選手権(駒沢体育館)

▼フリースタイル97㌔級❶二ノ宮


文武両道

 試合終了の合図とともに手をたたいた。2年連続で進出した決勝戦。カウンターで次々とポイントを奪取。攻めるだけではない堅実なレスリングで、あと一歩届かなかった頂点に上り詰めた。「大学で出た試合の中で一番悔しかった」と語った昨年度のインカレ。それから1年、さらなるレベルアップを追求した。明大から学生王者が出るのは10年ぶり。貪欲に勝利を追い求め、歴史を動かしてみせた。

 「勝てないことを環境のせいにされるのは一番嫌」。明大は東日本学生リーグ戦4年連続8位。決して強豪校ではなく、競技にだけ集中できる環境ではない。さらに、大学では教職課程を履修。インカレ直前も介護実習が全日本合宿にかぶった。しかし「絶対に自分にとってプラスになる」。授業で忙しい日は、空いた時間を有効活用。他大にも積極的に出稽古に向かった。勉強も部活も全力で。王者は自分の道を自分で切り開いてきた。

 レスリングだけではないからこそ、伸びる強さもある。それは学生王者の称号が証明してくれた。「もっと上を目指せる」。学生界の王者が次は全日本の頂点を狙う。


【福田夏希】


◆二ノ宮寛斗(にのみや・ひろと)岐阜県出身。169㌢・97㌔