
白川 見せたど根性
白川が日本一に上り詰めた。340名が出場した女子個人決勝射詰。外せば敗退の個人戦で、集中力を保ち続け最後の1人に。明大女子部史上初の快挙を手にした。苦しんできた4年間が最後のインカレでやっと実を結んだ。
◆8・13~15 全日本学生選手権(日本ガイシホール)
▼女子個人
白川――1位
負けない根性
次々と脱落者が出る中、3人に絞られた八寸的3本目。この緊張の場面で「練習では考えられない集中力があった」。真っ先に引いた矢を的中させ、優勝を決めた。人生初、女子部史上初の日本一に「神様が見てくれていたのかな」。
悔しさを力に変えてきた。全く当たらなかった最後のインターハイが悔しくて続けた弓道。しかし、日の当たる時はすぐに来なかった。初めて味わったメンバー落ち。何百本引いても結果は出ない。ふがいない自分が嫌で、練習場で泣いたこともあった。それでも「強く生きることだけは負けない」。どん底でも上を向く。〝日本一の根性〟で優勝への道を切り開いた。
日本一+最強
貫いてきたことがある。「笑っちゃうくらいの大きな目標を言い続けること」。高校2年次の夏合宿、友達とふざけて書いた目標が全国高校選抜で現実に。それを機に言葉を信じてきた。どんなに苦しくても、大きく高らかに。思いを込めて宣言してきたのは「日本一最強の女になります」。自分を信じるからこそ、言い続けた。
この言霊を信じてくれた人がいた。三浦朋美氏(平29農卒)。つらい時は一緒に悩み、調子が悪くても選手で使い続けてくれた一番の先輩。後輩の無鉄砲な言葉にも「おまえは絶対なるんだからな」といつも笑顔で答えてくれた。いつしか自分だけの目標ではなく、2人の魔法の合言葉に。〝日本一+最強〟。「かぶっているけど、日本一で最強がいい」。2人で笑い合ったことは現実になった。吉報を伝えると、電話越しに聞こえた涙。「すごくうれしい。朋美さんのおかげでやってこられたから」。日本一のサプライズで感謝を届けた。
今度はみんなでかなえたいことがある。最後の目標はリーグ戦で優勝し、全日本学生女子王座決定戦に進むこと。ここに集大成をかける。自分を信じて、みんなを信じて。今日も笑顔で合言葉を。「王座に行こう。日本一になろう!」。
【福永智隆】
♡白川史織(しらかわ・しおり)東京都出身。食べることが大好き。魚が好きで、自分で釣ったアナゴを食べた時は感動した。163㌢
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