池田颯太 英姿颯爽(えいしさっそう)

2018.09.20

勝負を決める一打を放つ。池田颯太(営2=松本国際・旧創造学園)は、明大のエースを背負う。昨年度の秋季リーグ戦はベストスコアラー賞を獲得、今年度は東日本インカレ3位に貢献した。前衛、後衛問わず左腕から打ち込むスパイクを武器に、チームを優勝へと導く。


転機

 未完の大器。中学時代は地区大会敗退レベルの無名の選手だった。身長が180センチ近くあったため、JOCカップの石川県選抜に選出されるが、出場機会を与えられることはなかった。

 そんな池田に名門・創造学園から声が掛かる。1年次から試合に出場、2年次には優勝候補と称されるチームの中心選手に。しかし、インターハイ・国体と結果が振るわず、池田はスランプに陥る。彼を救ったのは、当時の先輩だった。「朝練も居残りにも付き合ってくれた」と、周りの支えを弾みに復調。春の高校バレー3位の原動力となった。

 

  趣味は読書。元々スポーツ向きの性格ではなかった。しかし、同学年・中野竜(中大)の存在が池田を変える。「中野が負けず嫌いで何をするにも競ってきた」。当初は相手にしていなかった池田だが、次第に感化され、ライバル意識を燃やす。共に創造学園のエースとして切磋琢磨した。性格も今では大の負けず嫌いに。「中野が居なかったら今の自分はいない」と、ライバルに後押しされた。高校卒業時には、「俺の目に狂いはなかった」と壬生義文監督に言わしめ、名実共に全国区の選手へと成長した。


個性

 他校のエースと比べ打力に欠ける部分がある。その差が顕著に表れるのがサーブだ。しかし「自分の良さがある」と、力を必要とするジャンプサーブではなく、フローターサーブを極め練習に勤しんだ。その甲斐もあり、東日本インカレではサーブ賞を獲得した。

 日の丸を背負うことが目標。高校選抜に選出されたが、それ以来代表から遠ざかっている。技術で勝負するタイプだが、筋力トレーニングも積極的に取り組み進化を図る。現在代表では同学年・宮浦健人(早大)の活躍が目立つ。「意識はするが憧れではない」と、自分道を貫く池田が新たに代表へと名乗りを上げる日も時間の問題だ。


 ◆池田 颯太(いけだ・そうた) 営2、 松本国際、 192センチ・75キロ 石川県出身。試合前に靴紐を左から結ぶことが高校時代から行っている験担ぎ。


[藤山由理]