
西本晟 チームを勝利へと導く司令塔
巧みな戦術を兼ね備えたプレーはまさに攻撃の要だ。QB#4西本晟(商2=箕面自由学園)は昨秋の入替戦で1年生ながらもQBでフル出場。高校時代からの地道な練習が持ち前のパスコントロールとスピードを生み出している。今秋の活躍にも期待がかかる選手だ。
隠れた努力
1部リーグ残留をかけた昨秋の入替戦。第1Qで42ヤードのパス成功。第3QにはTD(タッチダウン)パスを決め、1年生ながらも勝利に大きく貢献した。
活躍の裏には積み重ねた努力がある。ウエートトレーニングを強化した高校時代。高3次にはベンチプレス110キロ、スクワット160キロをこなし〝フィジカルモンスター〟の異名を。「もっと体が強ければ、足が速ければ」と貪欲に限界突破を繰り返した。
地道な研究も決して惜しまない。現在、就寝前の1時間は自分の練習動画を見てプレーを考察するのが日課。また他大の試合動画を参考にし、フットボールIQを高める。アメフトへの真摯な態度がプレーの成功率の高さにつながっているのだ。
不屈の精神
高3次の春の大阪大会準決勝。相手は当時、関西大会2連覇中の高槻高。「10試合したら1回しか勝てない」というコーチの言葉通り、試合は劣勢に。終盤でスコアは10―7。しかし「奇跡が起きた」と西本の渾身のロングパスが成功。残り2秒でFG(フィールドゴール)が決まり、同点にこじつけた。試合は勢いのまま延長戦で勝利。「アメフト人生で1番嬉しかった。勝てた要因は最後まで諦めなかったこと」とこの試合を転機にどんな逆境でも屈しない姿勢がうまれた。
母親の存在
原動力は女手一つで支えてくれた母・圭子さんの存在にある。父親が単身赴任のため、中高時代は母と兄と三人暮らし。高校時代に体づくりの一環で課された白米2.5合以上の特盛弁当。働きながらも6時半には家を出る西本に毎日欠かさず栄養満点の弁当を用意し、西本のアメフト生活を不自由なく支援した。
大学での目標は日本一だ。「母親に自分の活躍を見せたい」と感謝の思いを胸に、勝負の秋季リーグ戦へ挑む。
[素宮愛結]
◆西本 晟(にしもと・じょう) 商2、箕面自由学園、大阪府出身。今季は混戦だったQBのスタメン争いを勝ち取った。法大戦撃破に始まりさらなる進化を遂げている。173センチ・75キロ。
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