神垣和他 才気あふれる未来のポイントゲッター 日本一へ突き進む

2018.09.16

 い切りの良い大胆な柔道でライバルをなぎ倒す。神垣和他(商1=崇徳)は高校3年次のインターハイの惜敗後に奮起。全日本選手権の地区予選を兼ねた中国選手権で自身初優勝を飾った。次なる目標はシニアも出場する講道館杯。早くも一つ上の活躍を見据える。

曲げられない信条
 今年6月に行われた東京学生優勝大会。1年生ながら団体戦の重要な局面で出場し、強者相手に奮闘。持ち味の気持ちの強さを十分に発揮した。日頃の練習では上級生に歯が立たないが、今日は一回でも多く投げられまい、一回でも膝をつかせようというハングリー精神で常に負けない意識で臨んでいる。
 この練習姿勢の裏にはある座右の銘がある。「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)」。堅く意志を持ち、性格は素朴で飾らない様のこと。高校の恩師、川口孝夫総監督は「柔道をしているだけじゃ意味が無い」とよく言っていた。強くなっても周りへの配慮や謙虚さは忘れない。恩師からの言葉を強く心に刻み、柔道で体現している。

無冠から日本一へ
 幼い頃から実力は折り紙付き。昨年夏に行われたインターハイでは「優勝するしかない」と意気込みは十分で臨んだ。しかし、試合直前の調整でケガに泣き本来の力を発揮できず。団体戦は決勝、個人戦は準決勝で敗退。「単純に実力不足だった」。それでも、日本一への挑戦は諦めていなかった。生来の類いまれな才能。そして日々の練習の積み重ねで「悔しさをバネにし、高校生以上の力を付けた」(崇徳高柔道部顧問・加美富章氏)。高校生ながら中国選手権で優勝し今年4月に行われた全日本選手権の出場権を勝ち取った。結果は2回戦敗退と、実力不足を痛感。しかし、社会人の中で「勝ったのはすごい」(田中源大・政経4=高川学園)と実力のある4年生をうならせた。
 悔しさを糧に突き進む。4年間での目標は団体戦でも個人戦でも、高校の時には叶えられなかった〝日本一〟になること。自らの能力に甘えずに全力を尽くすことによって「世界でも十分通用する選手」(加美氏)とそのポテンシャルは測り知れない。神垣のてっぺんへの挑戦はまだ始まったばかりだ。

【荒川千那】

 ◆神垣 和他(かみがき・かずなり)商1、崇徳高、176センチ・100キロ  広島県出身 柔道部1年生内の流行りは毎日のアイスじゃんけん。明大マートのソフトクリームは、ブルーベリー味が一推しだそうだ。