
溝口月斗 ゼロから千金をつかみ取る
リングに弾かれたボールを誰よりも高いところでつかみ取る。溝口月斗(国際1=東海大札幌)の武器はリバウンド。入学間もない春のトーナメントでは12得点の活躍を見せた。U―18(18歳以下)日本代表候補の経歴を持つ溝口がリバウンドと勝利をゲットする。
ゼロからの活躍
公式戦初出場となったのは5月上旬の関東大学選手権・初戦の慶大戦。プレータイムわずか16分にもかかわらず12得点、6リバウンドの活躍でデビューを飾った。新人戦でもインサイドの要として奮闘。ルーキーながら明大のゴール下を任せられる存在になりつつある。
そんな溝口だが中学校時代は地区大会で1回戦敗退レベルの選手だった。そこから、U―18日本代表候補にまで育て上げたのは、東海大札幌高の佐々木監督だった。「最初は本当に何もできなかった」と入学時を振り返る。シンプルイズベストが目標の東海大札幌校。パス&ラン、初歩的なセンタープレー、基本から徹底的に積み上げた。「今も、先生に言われた言葉を思い出しながらプレーすることがある」。たびたび言われた言葉は「殻を破れ」。辛いときは「声を出し続ける」。そうして殻を破り続け、高校3年次のウィンターカップ・宇都宮工高戦では34得点、14リバウンドという驚異的な記録を出せるまでに成長を遂げた。
更なるステージ
成長の道しるべは〝ユーティリティ〟にある。インサイドが主戦場の溝口だが高校3年次にU―18日本代表候補から落選。「中で戦えないわけじゃない」でも「中だけじゃだめだ」と現状の手札だけではトップレベルに達していないことを痛感させられた。「将来的にはアウトサイドでもプレーできるようにしたい」。活躍の舞台を広げる溝口にさらなる期待が寄せられる。
シュートが決まると即座に次のプレーが始まるバスケットボールは流れが勝敗を決める。「オフェンスリバウンドを取ってそのまま点を決めたら会場が沸く、そしてチームにも勢いが生まれる」。得意とするリバウンドでチームの流れを爆発させる。
◆溝口 月斗(みぞぐち・げっと)北海道出身。ポジションはC。月斗の由来は何でも手に入れられるようにgetから。192センチ89キロ
【田北俊介】
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