
飯沼蓮 ラグビー一家のDNAを受け継ぐ司令塔
素早い球出しと積極的な仕掛けで攻撃の起点となる。スクラムハーフ飯沼蓮(営1=日川)は、昨年度高校日本代表として活躍。早くも春シーズンから紫紺に袖を通し、ルーキーらしからぬ堂々としたプレーが光る。次世代を担う司令塔は強気に明治をけん引していく。
転換点
才能の片りんを見せた。6月に行われた同志社との定期戦で、飯沼は後半23分から途中出場。9点を追う展開であったが「監督が試してくれた」。初めて僅差の場面で起用されるも、見事その期待に応えた。すぐさま2点差まで詰め寄ると、試合終了間際には自ら逆転トライを決める大活躍。勝利に大きく貢献し「自信になった」。これまでにない確かな手応えを得た。
大学では〝9番〟で勝負する。高校時代はチーム事情からスタンドオフとしてプレー。しかし「本当はスクラムハーフをやりたかった」と話す。父・健氏はかつて日川高の主将を務め、トップリーグでも活躍したスクラムハーフ。その影響で物心つく前から楕円球に触れ、高校も父と同じ日川高へ進学した。さらに、3年次ではキャプテンにも就任。常に父の背中を追ってきた飯沼にとって〝9番〟は憧れそのものだ。「今も背中を追っている」。父の残した足跡をたどり〝9番〟として新たに歩みを進める。
向上心
最高のお手本が目の前にいる。チームの絶対的支柱であるスクラムハーフ福田健太主将(法4=茗溪学園)だ。「健太さんは目標」。飯沼が目指すのは視野を広く持って、他の選手をコントロールすること。しかし、春シーズンでは「スクラムハーフのことしか考えられていなかった」と課題が明確に。「周りのこともよく見ている」という福田健のプレーは、まさに飯沼が追い求める理想像だ。それでも、簡単にポジション争いに負けるわけにはいかない。「健太さんを超す気持ちで」と虎視眈々(たんたん)と出場機会をうかがう。
座右の銘は〝自信なくして能力なし〟。1年次からAチームで経験を積み、自信につなげる。いずれは「明治の中心になりたい」と大きな志を語る飯沼。紫紺の誇りを胸に、4年間を全うする。
◆飯沼 蓮(いいぬま・れん)営1、日川高、169センチ・72キロ 最近、同部屋の先輩である渡邉(営4)の影響で、TWICEにはまっている。
[高智琉大朗]
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