(10)「強さは誰かに依存しないところ」福田健太主将 対抗戦開幕直前インタビュー

2018.09.13

 

 春季大会初優勝を果たし新たな歴史を作った明治。夏合宿では絶対王者・帝京大を春に引き続き撃破。秋本番を迎える直前に今年の明治の強さの源はどこにあるのか福田健太主将(法4=茗溪学園)に伺った。

 

――夏を振り返っていかがですか。

「帝京大に春夏連勝することができるなど、チームとして成長を感じる結果だったと思います。敗戦した天理大戦では課題だらけでしたが、自分たちがやるべきことを教えていただいたので価値ある試合でした。夏合宿は帝京大戦で春からの成長を証明できて、天理大戦で自分たちへの課題を確認して、東海大戦でその課題を修正して。段階を踏んでチームとして内容が濃く充実した日々を過ごせました」

――帝京大に対して春と夏、同じ接戦での勝利ですが勝利に違いはありますか。

「例年までですと、帝京大に前半19点を取られた時点でその後に40点、50点取られてしまう試合になっていたと思います。対して今年はそこで明治のスタンダードがあったことで帝京大相手でも自分たちのラグビーを出せたことが勝因です。春に帝京大に勝った後も、チーム全員でスタンダードの意識を共有することを徹底した成果です」

――合宿のテーマが〝チームとして成長すること〟でしたが、どの部分が成長しましたか。

 「毎年のことですが、夏合宿はラグビーだけ打ち込める環境というのが大きいです。誰が試合に出ても明治のラグビーができるということがこの夏合宿で一番伸びました。セミナーハウス内でもコミュニケーションを常に取っていたので、今何をすべきなのか全員が共有できていました。帝京大戦で後半逆転できたのもコミュニケーションから生まれた修正力だと思います」

 

――夏を終えてリーダー7人制によってチームはどう変わりましたか。

 「遼(井上・政経4=報徳学園)はFWを常にまとめてくれていますし、試合中もコミュニケーションを積極的にとってくれます。本当に良くリードしてくれているなと僕も感じています。汰地(髙橋・政経4=常翔学園)はシーズン始まった時よりも自分の意見を発言してくれてBKの核であることは間違いないです。リーダー的な存在を発揮する人は何人いてもいいことだと思います。僕がかすんでしまうくらいのチームになったらトークももっと増えてより高いレベルになると思います」

――対抗戦直前の練習はいかがですか。

 「アタックの部分でのバージョンアップを行っています。もちろん完成ではないですがディフェンスの部分は形になってきたので、後は対抗戦、選手権と試合を通して改善していく段階です。チームの雰囲気も悪くないです。シーズン開幕戦の重要性というのは全員が感じていますし、明治の強さは誰かに依存しないところだと思うので、全員が自分の仕事をこなしています。誰が出ても日本一を目指せるスタンダードが崩れないことが今年の一番の強みです。AからDの選手全員がコンペティションの精神があるからこそいいチームなので、それを日本一の瞬間まで保って突き進みます」

――最後に明大生に向けて一言お願いします。

 「22年ぶりの日本一を目指して、戦力も充実していますし、それだけの練習をしてきました。ラグビーのルールが分からない人でも迫力や緊張感など、何か感じ取ってもらえる部分があると思います。1月12日絶対に日本一を取るので、その日本一になるチームを一度見に来てください」

                                                                                                 

――ありがとうございました。

 

◆福田 健太(ふくだ・けんた) 法4 茗渓学園高 172センチ・72キロ

 FWとBKのつなぎ目としてチームを統率する主将。対抗戦では2年生の時からチームの戦力として躍動してきた。高いキャプテンシーは春の優勝を経てさらに磨きがかかっている。


[鈴木貴裕]