小柏剛 驚異のスピードでゴールへ突き進む

2018.09.13

真摯な点取り屋がチームを勝利へ導く。小柏剛(商2=大宮アルディージャユース)は、プレミアリーグEAST、日本クラブユース選手権(U―18)で得点王に輝いた。明大では1年次よりスタメン出場。持ち前のスピードを生かしたドリブルで得点の嵐を呼び起こす。


得点王の軌跡

挫折しても這い上がる。一瞬で相手を置き去りにする異次元の瞬発力は、ゴールへと一直線に加速する。今季の総理大臣杯では、その高速ドリブルで4試合3得点と大学でも得点王に輝いた。そんな小柏は中学進学後、大宮アルディージャの下部組織に入団。「自分が一番成長できる環境だと感じ、このチームを選んだ」。3年次にはプレミアカップで優勝し、個人としてベストイレブン賞を獲得。高校では1年生ながらスタメン起用と順風満帆に見えた。しかし2年次で、練習中に足首を骨折。手術をし、3カ月ほどの離脱を余儀なくされた。「みんなから置いてかれてつらかった」。それでもフィジカルを強化するための筋トレを惜しまず。つらい挫折期も決して落胆せず、自分を見つめ直した。

小柏が挫折を乗り越えられたのは仲間の支えがあったから。「仲間の声掛け、活躍が自分の原動力となった」。そのおかげで調子を取り戻し、見事にスタメン復帰。そしてプレミアリーグEAST得点王、日本クラブユース選手権(U―18)得点王という快挙を成し遂げた。仲間の力が、大ケガからの復活をさせてくれた。

さらなる高みへ

 真面目さが成長のカギとなる。今なおゴールを量産し続ける小柏だが、性格は自他ともに認めるほどの生真面目。「周りからは、何事にも気にしすぎて頑固だと言われる」。得点王2冠に対しても、「その2大会とも優勝できなかったし、まず(高校時代は)タイトルを取れていない」と慢心せず。今季関東大学リーグ戦、桐蔭横浜大との一戦では、大学入学後初のハットトリックを達成。それでも自分のプレーに対する点数は80点〟と満足には至らない。

そんなおごることのない生真面目な小柏の目標は「自分の得点で試合に勝つ」。結果には謙虚に、目標は貪欲に。総理大臣杯優勝で見えてきたのは3冠。自分の足でチームを3冠へと導かせる。 


【佐々木崚太】

小柏 剛(おがしわ・つよし)、商2、大宮アルディージャユース、167センチ、64キロ、群馬県出身 同期からは〝つよし〟、先輩からは〝おがし〟と呼ばれている。