大畠洋斗 世界を見据える小さな巨人

2018.09.12

 大畠洋斗(政経1=法政二)は高校時代に3度の全国優勝の実績を誇る「優勝請負人」である。明大進学後すぐの春季リーグから、持ち味のスピードを生かしたプレーで相手を翻弄。昨年度結果を残せなかったハンド部復活のキーマンとして今日も縦横無尽に駆け巡る。

スピード全開
 大畠の最大の魅力はなんといってもそのスピード。170㌢、65㌔とアスリートとしては小柄な体格ながら、彼が常に第一線で活躍してきた最大の要因だ。中でもトップスピードから展開する1対1のプレーを止められる者はそう多くない。「緩急をつけたプレーが彼の武器」と加藤良典監督も太鼓判を押す。この得意プレーの原点には、自他共に認める抜群の運動神経と高校時代に積んだ経験がある。「身長が低い分、歩幅を大きくするように練習した」。名門で身につけた技が今の大畠をつくり上げている。

3度目の正直
 法政二高3年次には選抜、インハイ、国体の全ての大会を制覇し高校3冠を達成。だが彼の競技人生は決して平たんなものではなかった。小中と全国大会に出場したものの、どちらも決勝で敗退。奇しくものちに明大でチームメイトとなる千葉海斗(法1=洛北)擁する京田辺小、培良中が相手だった。「全国で優勝したい」。栄光を掴むために神奈川の名門、法政二高の門を叩いた。誰よりも強い気持ちで練習に食らいつき、3年次の選抜大会決勝では再び千葉擁する洛北高と対戦。千葉に「最初から諦め気味だった」と言わしめるほどの成長を見せつけ、漫画のようなできすぎた舞台で見事雪辱を果たした。
 昨日の敵は今日の友。激戦を交わしてきた千葉とは同じセンターのポジション。争う立場にあるが、不思議とライバル意識はないという。「勝つためには2人で支え合うことが必要」。頼もしい〝仲間〟と共に明大でも頂点を目指す。

目指すは五輪
 輝かしい成績を収めてきた大畠。その先に見据えるのは世界の舞台だ。「東京オリンピックを目指したい」。現在大学生で日本代表に選ばれているのは1名のみとかなり狭き門である。しかし「夢は海外でプレーすること」と語る大畠なら決して不可能ではない。2年後、世界を相手に躍動する姿に期待だ。


【高野順平】

◆大畠 洋斗(おおはた・ひろと) 1999年生まれ。東京都出身。趣味は映画鑑賞。最近は「プリズンブレイク」がお気に入り。