村上堅信 兄を追って頂点目指す

プラット上で発揮される力強さは格別だ。北信越総体では1位。インターハイにも出場した村上堅信(政経1=滑川)。兄はスナッチ、トータルの大学記録保持者だ。自身の適地で不調を脱しトータル300㎏超え、そして学生チャンピオンを狙う。

 

 

 

成長と困難

 

有終の美を飾ることはできなかった。緊張やプレッシャーに押しつぶされる中、出場した高校3年次のインターハイ。ジャークは記録なしに終わり、結果は失格。「さらにジャークへの苦手意識が強くなった」と大きな課題を残した。

 

順調な道のりだった。中学2年次、兄の影響を受けて始めたウエイト。練習をすればするほど結果に結び付く楽しさにのめり込んだ。特に高校1年次から2年次にかけてはトータルで約100㎏記録を更新。さらに、高校2年次のインターハイでは得意とするスナッチで3位。滑川高校を団体優勝に導いた。

 

しかし、逆境が襲う。全国の頂点を目指すことができる実力が付き監督からの指導にも力が入った。練習づめになり、怒られる日々。「お前の兄ならこんなことはなかった」と兄と比べられた。高校3年次は「もう楽しくウエイトができなかった」。自己ベストの重量に挑戦するも「これでいいや」という満足感から失敗の連続。この二つの壁が高校3年次インターハイでの失格につながった。

 

 

 

いざ頂点へ

 

期待に応えてみせる。高校2年次、村上の練習する高校に本多達雄監督が訪問。早い時期から訪れた監督に対し「強くなって恩返しがしたい」。先輩からも「自分と練習してくれ」と精力的な勧誘を受けた。また「自分と兄とは違う」。兄と比較されずに練習に打ち込める環境を選んだ。しかし、兄は一番身近で、試合の時にはアドバイスをしてくれる心強い存在だ。

 

スランプ脱出への兆しが見えている。東日本大学対抗選手権では、スナッチの自己ベストを更新。調子は良くなりつつある。今後はまず苦手なジャークを改善し、トータル300㎏超えを目指す。さらに「大学でも1、2位を狙える選手に」。頂点を目指しこれからも鍛錬し続ける。  

 

 

 

◆村上 堅信(むらかみ・けんしん) 政経1 滑川高 172㎝・104㎏ 富山県出身。兄と一緒にジムに行ったり、鍋パーティーをしたりすることもある。

 

 

 

[内田朝]