安住紳一郎アナウンサーインタビュー 未来の明大生に激励

 高校生の皆さん、明治大学のオープンキャンパスへようこそ! 私たち明大スポーツ新聞部は、学生主体で新聞を発行している明治大学唯一の報道機関です。学生と応援してくださる方々に向け、明治の〝今〟を発信しています。今号の表面では明治OBであるTBSの安住紳一郎アナウンサー(平9文卒)に上京話・受験期について伺いました。きっとその中に皆さんの支えとなる言葉があるのではないでしょうか。また裏面には明治を身近に感じられるような魅力をたくさん詰めました。まずは将来の明大生となる受験生の皆さんに明治の良さを感じてほしいです。

――明治を志望しようと思ったきっかけは
 質実剛健なイメージがあり、そこで自分を磨いてみたいということで明治を志望しました。また当時、就職が厳しかったので、中高の国語の教員免許を取得しようと思って文学部文学科日本文学専攻を選びました。

――受験期はどうだったか
 僕は北海道の公立高校を卒業して、高田馬場で浪人生活を送りました。本当だと札幌の予備校に行くところなんですが、地元だと高校の知り合いと楽しく過ごしちゃうかなと思って。でも当時は受験者数が多くて、大変だった。なかなか東京の私大に合格しなくて。3日間連続で入試が続いていた日程があったから、それがいかに地獄だったか(笑)。二度とやりたくない感じです。

――勉強方法はどうしていたか
 インクがどれだけ減るかによって1日の勉強量を測っていました。でもそのうちインクを減らすことが目的になっていて(笑)。1年間で100本くらい使って、入試の時はお守り代わりにしていました。あと独り善がりの勉強方法ではなく、それが有効かどうか、他の人からアドバイスをもらうべきなんですが、それに気付いたのが12月だったんだ(笑)。もっと早く第三者に聞いていたら結果は変わっていたのかな。まあ、そこに気付くまでの過程が受験生に求められている能力なんだと思いますね。

――受験生にアドバイスを送るとしたら
 17歳とか18歳であるけれども、シビアに合格不合格がつくわけだから、それまで獲得してきたさまざまなノウハウを使い結果を出してほしいです。僕はね、受験って酷だなと思っていたけど、世の中に出るともっと不合理な競争がたくさんあって、むしろ公平な競争の中に大学受験はあると思います。だから変な近道はないんで、平等なチャンスだと思って、自分の能力をきちんと出せるように、工夫したらいいんじゃないかな。

――地方から都内に出てきて驚いたことは
 田舎にいると人数が少ないから、社会に対して自分の存在というのが大きく見えたりする。だけど、東京に出てきたら「あ、この町で俺のこと知ってる人いないんだ」と。1カ月半くらい、自分自身の小ささとか、存在の小ささとかを嘆いていました。

――1人暮らしで成長したことは
 寂しさに耐える。それから、朝ちゃんと起きる。あと、お金持ちをうらやましがらない、自宅通学生と比べない、女の子と比べないというところですか。女性は、18、19というと社会全体からちやほやされるでしょうけど。男性はあまりちやほやされない(笑)。

――安住アナにとって明治とは
 年を取るごとに、明治というものに対してすごく思い入れが深くなっていきます。在学中はラグビー部が勝っても「ああラグビー部ね」みたいな感じだったんですが、大人になってから活躍しているのを見るとすごくうれしいです。不思議なもので、感じ方はどんどん変わっていきます。明治愛みたいなのが年々強くなっていく気がしてます。

――明治の魅力は
 世の中に出て「明治出身です」と言うと、OBの人たちがたくさんいるので、すごく喜んでくれます。またバランス良く、気骨のある卒業生たちが多いです。エリートではないけれど、本当に良質な教養人としての日本社会を支えているなあと感じます。

――最後に受験生にメッセージを
 他の学校もあると思うので、比較しながら、明治のカラーも理解するといいと思います。志望して入ったなら次を支える世代となって、私たちOBにもいい思いをさせてください。
【聞き手・綾部禎、丸山拓郎】

◆安住紳一郎(あずみ・しんいちろう)。平9文卒。在学中には1番しか歌えなかった明治の校歌を、なぜか40歳過ぎから3番まで歌えるようになった。現在は『ぴったんこカン☆カン』『新・情報7daysニュースキャスター』などの司会を務めている