
阿部 日本人トップ
◆6・30 第50回全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会(浦和駒場スタジアム)
各大学から8人が4組に分かれて出場し、1万㍍の合計タイム上位8校が本戦へ の出場権を得る今大会。ルーキーの鈴木聖人(政経1=水城)や、好調の 阿部弘輝(政経3=学法石川)らの活躍で、今年度初の三大駅伝への出場が確定。11年連続となる本戦出場を決め、反撃ののろしを上げた。
スプリント↑
最終周を告げるけたたましい鐘の音と共に塩尻和也(順大)が前に出た。1万㍍4組に出走した阿部。30度を超える気温と吹きすさぶ強風の中、序盤は塩尻、ワンブィ(日大)とレースを先導する。後塵(こうじん)を拝した5月の関東インカレと違ったのはここからだった。進化を見せたのは課題として挙げていたスプリント。スパートに入るやいなや「5000㍍のための練習が生きた」と怒涛(どとう)の追い上げで塩尻を捉えた。残り200㍍で突き放すとそのまま日本人単独トップに。最後は拳を大きく突き上げゴールした。「学生界のエースである塩尻さんに勝てたのは自信になる」。謙虚な阿部に似つかわしくない自信あふれるコメントで喜びを表現した。
エースの自覚
今年度の阿部は気合が違う。昨年度の同大会では組で32位と失速した阿部。今大会は「昨年度助けられた分、絶対にリベンジしてみせる」と雪辱に燃えるレースでもあった。しかし関東インカレから5週、日本選手権からはわずか6日というハードスケジュール。また調整自体は日本選手権の5000㍍に照準を据えていた。そんな万全とはいえない中で阿部を突き動かしたのはエースとしての自覚。「勝つためには僕が明治を引っ張らなければならない」。昨年度予選通過の立役者・坂口裕之駅伝主将(政経4=諫早)やライバル視する同期・中島大就(商3=世羅)がケガで調子を崩す中、まさにエースたる活躍をしてみせた。
勝ち切る意識
「勝ち切ること」。阿部は試合後のインタビューで何度もこの言葉を繰り返した。無事に伊勢路を決めたが、ここまでは昨年度と変わらない。続く箱根駅伝予選会、全日本駅伝本戦、そして箱根駅伝本戦。ここで戦えるかどうかが本当の勝負となる。一度〝勝つ〟だけではなく最後まで「勝ち切る」ために。来るその日まで足を止めることはない。【島田雄貴】
◆阿部弘輝(あべ・ひろき)福島県出身。同室の前田舜らと、よく大富豪をする。172㌢・54㌔
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