甲斐 ケイリン&タンデム2冠

2018.07.11

◆7・1 第59回全日本学生選手権トラック(泉崎国際サイクルスポーツセンター) 

▼男子 ケイリン 

 甲斐ーー1位 

▼男子 タンデム・スプリント 

 田川・甲斐ーー1位 

 インターハイ王者が復活を遂げた。インカレに次ぐ規模の今大会。甲斐俊祐(営2=元・別府商)がケイリンと、田川翔琉(政経3=ルーテル学院)と組んで出場したタンデム・スプリントの2種目で優勝。男子史上初の2冠を達成した。ケイリンは高校時代以来2年ぶりの出場、タンデムは昨年度4位という状況からの2冠に「まさか勝てるとは思っていなかった」(甲斐)。明大入学後、タイトルなしと苦しんだ男がようやく本領を発揮。自分の予想をも超える好結果がついてきた。

ケイリン制覇
 後の加速に追い付ける者はいなかった。決勝序盤はレースプラン通り2位をしっかりキープ。ラスト1周で昨年度王者・山根将太(中大)の背中を捉えると、最後の直線で一気に加速。ゴール前タイヤ一つ分の差で逆転優勝を決めた。
 苦しい1年間を乗り越えた。インターハイ・スプリント優勝という実績を引っ提げ明大に進学。しかし、いきなり壁にぶつかった。ギアの上限にも助けられ、自転車を乗り込むだけの練習でも結果を残してこられた高校時代。だが大学からはギア制限がなくなった。脚力のある同期の荒川仁(政経2=千葉経大付)らが活躍する中、重いギアに苦戦。「結果が欲しかった」。焦ることもあった。それでも腐らずオフには下半身を中心としたウエートトレーニングを敢行。競技人生初めてのウエートも同期からメニューを教わりながら、自転車に乗ることなく体をいじめ続けた。そのかいあってギアの倍率は高校時代の3・57倍から4・00倍と飛躍的にアップ。持ち味である後半の伸びはさらに強力な武器となった。

最高のコンビ
 2冠目は2人でつかんだ。「足りない部分を補い合えている」(甲斐)。短距離を得意とする甲斐と、中距離を得意とする田川。決勝ではインカレ連覇中の法大ペアを相手に甲斐のスタートダッシュで先行。終盤は田川の持久力で逃げ切った。お互いの得意分野でフォローし合うスタイルは全国でも通用した。練習で対立することもしばしばあるが「言いたいことが言えないよりは、言い合った方が成長できる」と、上級生の田川にも全力でぶつかっていく。田川も「気を使わなくていい関係なので本音で話せる」と固い信頼関係で結ばれている。今年度は完璧なコンビネーションを披露。「日々一緒に練習をしていて、その努力がようやく報われた」(田川)。1年間共に戦ってきた相棒と喜びを分かち合った。

チームのため
 次はチームのために走る。インカレではチーム全体で得点を稼ぐため、タンデムのペアを解散することが濃厚に。それでも「チームスプリントで優勝」(甲斐)と次の目標は見えている。昨年度は「メンバーに選ばれず悔しい思いをした」(甲斐)だけにかける思いも人一倍。今年度はルーキー・塩島嵩一朗(法1=南大隅)との激しい1走目の争いを制し、メンバー入りを果たした。今やトラック班の中心選手。他大からのマークも厳しくなる中「自分の走りをするだけ」(甲斐)と、インカレに向けて心の準備はできている。今年度こそは自身の活躍でチームを悲願の優勝へ導く。【大西健太】

◆甲斐俊祐(かい・しゅんすけ)大分県出身。高校から自転車競技を本格的に始める。182㌢・72㌔

関連記事

RELATED ENTRIES