(7)【瓦版】秋へつなげ

2018.06.16
 伝統の一戦を制し、秋への布石を打つ。関東大学春季大会を無敗で終え、残すは創部100周年を迎えた早稲田との対戦。昨年度は春秋ともに明治が勝利を収めている。宿敵相手に勝敗は無論、強化の夏に向けて内容にもこだわりたいところだ。シーズンを通して積み上げてきた高いスタンダードで80分間圧倒し続ける。

快進撃
 成長が止まらない。6年間帝京大の独壇場だった春季大会で、明治初の全勝優勝。「例年にない春シーズンのスタートが切れた」(スクラムハーフ福田健太主将・法4=茗溪学園)と試合を重ねるごとに、確かな手応えと自信を得てきた。戦術面にはほとんど着手していない中で、勝因は「どの試合でも個々のスタンダードが相手を上回っていた」(福田健)こと。
慶応戦では、出足の速いディフェンスに苦しみながらも「相手が見えない位置から走り込んだり、早めにボールをもらってずらしたり」(右ウイング山村知也・営3=報徳学園)と一人一人が高い対応力を見せた。さらに1対1の場面で当たり負けしないだけでなく、そこから生まれるスペースを全員が共有。福田健の球出しを起点に、よりテンポの速いアタックがリズム良く生まれるようになった。

組織力
 大学随一の選手層の厚さが、チームの底上げを加速させる。週ごとに目まぐるしくメンバーが入れ替わり「いろいろな選手が明治のラグビーをできるようになった」(田中澄憲監督)。チームの上下にかかわらず、統一したプランに対するラグビー理解度が向上。ゲーム状況に応じ、有効な判断を下して動くことのできる選手が増えた。「誰が出ても同じスタンダードで戦えるように」(井上遼・政経4=報徳学園)。秋には、現在U―20(20歳以下)日本代表戦でチームを離れている5名も加わる。FW、BKともに激しいポジション争いをプラスに働かせたい。


 両校のプライドを懸けた春の明早戦。「一つ結果を残せたからこそ、これからの成長が大切になる」(髙橋汰地・政経4=常翔学園)と気を緩めることはない。万全の形でシーズンを締めくくるべく、向上心の尽きない福田組が早稲田を迎え撃つ。
【横手ゆめ】