阿部 5000メートル3位で降格危機救う

2018.06.13

◆5・24~27 第97回関東学生対校選手権(相模原ギオンスタジアム)
▼男子5000メートル❸阿部

 各大学の総合力を競う関東学生対校選手権。男子5000メートルで阿部弘輝(政経3=学校法人石川)が3位に入賞。チームの1部残留に大きく貢献した。

見せた成長
 男子5000メートル決勝。阿部はワンブィ(日大)や塩尻和也(順大)といった学生トップクラスの選手と共に先頭集団を形成。しかし3000メートル通過後、トップ2人から引き離される。それでも「応援が聞こえて、意地でも勝たないといけない」。単独走でもペースを落とすことなく、粘りを見せ3位入賞。1部最下位まで沈んでいたチームを降格の危機から救った。
 さまざまな苦難を乗り越えてきた。1年次は全日本大学駅伝1区区間17位、箱根駅伝では4区区間13位と低迷。2年次も結果を残せず、箱根駅伝予選会ではまさかの敗退。自身もチームもどん底に落ちた。そこで阿部は練習段階で追い込み、本番に合わせてピーキングを行う〝出し切る練習〟にシフト。それが奏功し、昨年度の全日本大学駅伝7区で区間新記録を樹立。その後も5000メートルと1万メートルの両種目で自己記録を更新し、今大会では入学後初の表彰台に上った。この結果に「半年で成長した」と山本佑樹駅伝監督も評価。模索し続けた2年間が実を結び始めた。1週間後には日本選手権、2週間後には全日本大学駅伝の予選会が控える。「勝つことが求められている」(阿部)。さらなる高みを目指し走り続ける。
【垣内萌恵】

◆阿部弘輝(あべ・ひろき)福島県出身。自己ベストは5000メートル13分42秒46、1万メートル28分40秒51。猫を飼っているが犬派。172㌢・55㌔