
王者・帝京大破り春季初∨ 日本一見えた
◆4・28~6・17 第7回関東大学春季大会(八幡山グラウンド他)
▼明治――優勝
絶対王者を破っての初優勝だ。今年度を占う春季大会。ここまで同大会6連覇中であった帝京大に勝利するなど、全勝で春の頂点に立った。田中澄憲新監督の下、日本一を目指す福田組。昨年度あと一歩のところで果たせなかった大学日本一に向けて最高のスタートを切った。
赤壁撃破
北の大地に歴史を刻んだ。4月30日に札幌ドームで行われた帝京大との一戦。序盤から一進一退の攻防を繰り広げた。10―14のビハインドで迎えた後半38分、相手ゴール前5㍍でのマイボールスクラムからFW陣で徹底勝負。11フェーズを重ね、最後は左フランカー朝長駿(農4=長崎北陽台)が勝利のボールを地に付けた。「チームとしてこれ以上にない自信になった」とスクラムハーフ福田健太主将(法4=茗溪学園)。試合終了間際に起こった逆転劇に、会場は大歓声に包まれた。 道のりは長かった。2010年関東大学対抗戦で勝利して以来、帝京大相手に公式戦12連敗と白星から遠ざかっていた明治。「超えなければならない壁だった」(髙橋汰地・政経4=常翔学園)。8年ぶりの勝利は常勝軍団復活ののろしとなった。
団結強化
深めた絆が紫紺を強くする。昨年度、全国大学選手権決勝では1点差で敗戦。「優勝まで残り2点の課題が残された」(福田健)。全員の胸に刻まれた悔しさを晴らすために『Exceed』のスローガンの下、改革を決行した。重視したのはコミュニケーション。学年を超えて一つになれるチームを目指した。そのために、副将を置かず、リーダー陣7人を中心とする新体制を確立。4年生の下にグループを形成し、ミーティングから掃除の分担まで4学年そろって行い、意思疎通を図った。「意識を徹底してワンチームになれた」(朝長)。精神面でも一丸となり、頂点を目指して歩み始めた。
日本一へ
本番は秋だ。帝京大に勝利し、勢いづいた明治。その後も危なげなく勝利を重ね、完全優勝を収めた。例年ケガに苦しむ春季。しかし、今年度は目立った離脱者を出すことなく全員が成長を遂げた。そしてB、Cチームはいまだ無敗と好調を維持。例年以上に選手層は厚い。昨年度あと一歩のところまで迫った頂点への旅路はまだ始まったばかり。金星を挙げた勢いそのままに快進撃を続け、長く重い歴史に〝福田組日本一〟の文字を書き加える。
【鈴木貴裕】
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