
(3)鈴木友規フィジカルコーチインタビュー
第3回目は鈴木友規フィジカルコーチのインタビューです。鈴木コーチは、2012-2013シーズンからドイツ・ブンデスリーガのヴェルダー・ブレーメンの鍼灸(しんきゅう)トレーナーを3シーズン務められた方です。昨年度途中より明大のフィジカルコーチとして活躍されています。(この取材は3月27日に行われたものです)
――なぜ海外のクラブに務められていたのでしょうか
鈴木コーチ:ドイツに行く前もサッカーチームを見ていて、いつかは世界に通用する選手を育てたいと思いました。でも、その前に『世界に通用する』とは何なのかを自分の目で見て、肌で感じないといけないと思ったからです。
――明大のフィジカルコーチに就任した経緯を教えてください
鈴木コーチ:前任の鬼木祐輔コーチと学生時代からの知り合いで、サッカーに関して話し合う仲間でもありました。その鬼木さんが明大を辞められるタイミングでお話を頂きました。大学というのは、自分の中ではあまりイメージしていなかったカテゴリーでしたが、何回か練習を見に行き、チームの状況やイメージ、『鬼木さんがどういうことをしていたか』などを聞かせていただきました。その上で、ぜひチャレンジしたいと思いました。
――学生ならではの難しさはありますか?
鈴木コーチ:そうですね。学校生活、就職活動、寮生活など考えなければいけないことも多いかと思います。トレーニングの時間だけではなくて、それ以外の時間もうまくコントロールできないと良いプレーはできません。ただ見方を変えれば、いろいろなことを学べたり、たくさんの出会いがあったりと成長できる機会が多いと思います。
――実際に選手たちの印象はいかがですか?
鈴木コーチ:能力が高い選手と個性がある選手が多いと思いました。そして真面目で取り組む姿勢は素晴らしいと思いました。一方で、もったいないなと思う場面もたまにあります。"もっとできる”選手がいます。個人個人いろいろな要因があるので一概には言えませんが、それが体の使い方かもしれないですし、考え方かもしれないですし、コミュニケーションの部分かもしれない。それぞれが持っている高いパフォーマンスを継続させることがカギになるかなと思っています。
――明大は昨年もケガ人の多さに悩まされました。少なくするためにどのようなことが必要だと考えていますか?
鈴木コーチ:1つは、状況や環境が変わった時にうまく対応する力だと考えています。例えば疲労がたまってきたからどうするのか、気温が低いからどうするのか、朝練だからどうするのかなどいろいろあります。そのような特に「準備」の部分で、気持ちのもって行き方も含めてまだまだ改善しなくてはいけないと思っています。もう1つは、これも意味は少し重なるのですが、リアクションではなくアクションを増やすこと。ピッチ内ではもちろんピッチ外でも。自分の意志で挨拶する。自分の意志でウォーミングアップやクールダウンをする。自分の意志で寝る、起きる、食べるなど。決められたことをこなすだけではなく、状況判断して、決断して、行動するという質を高めていけたらケガ人は減るかと思います。
――それは知識不足が原因でしょうか?
鈴木コーチ:多少知識や感度は足らないと思う時もありますが、今の知識でも対応できることは多くあります。知っていることと、知って自分のものとして使えているということは同じではありません。そこはまだまだだと思います。
――大学サッカーを盛り上げるためにどのようなことが必要だと考えていますか?
鈴木コーチ:もちろん1番はピッチ上でのサッカーです。この間も選手達に『良い試合は、見ている人の心が動く試合だ』という話をしました。あとは明大では応援も力を入れていますが、ピッチの外からも熱い試合をしようと取り組んでいます。それらに加えて、関わる全てのスタッフや運営などの工夫も必要だと思いますが、自分はまだ大学サッカー歴は短いのでこれから考えていこうと思います。
――今年の個人的な目標を教えてください
鈴木コーチ:選手個人個人の持っている能力をいかに引き出せるか。そしてチームとして高いパフォーマンスを維持することが自分の役割だと思っています。目標としては、世界でも通用できる選手を明大から輩出したいですし、チームとしてはJクラブと真剣勝負して勝ちにいけるくらいのチームを目指したいと思っています。
第4回は栗田大輔監督のインタビューをお届けします。更新は明日、4月5日予定です。
お楽しみに!
[渡部伊織]
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