森薗 48年ぶり世界複銀
世界中に日本ペアの強さを知らしめた。1年ごとに個人戦と団体戦が入れ替わる世界選手権で、森薗政崇(政経4=青森山田)・大島祐哉(木下グループ)組が日本男子勢48年ぶりのダブルス銀メダル。森薗は初めて同大会の表彰台に上った。
執念実った
ダブルス世界ランク1位の肩書は〝だて〟じゃなかった。準決勝で韓国ペアに勝利し迎えた決勝。中国ペアの強打に苦しみ、3ゲームを連取された。それでも大島のバックハンドドライブが決まれば、森薗は強烈な横回転を掛ける自身の代名詞・チキータレシーブで得点を重ねる。相手の威力ある返球に負けず、壮絶なラリー戦を制し1ゲームを奪った。試合は1―4で敗れたが、半世紀ぶりの銀メダルは輝きを放っていた。
快挙の裏にあったのは執念。春季関東学生1部リーグ戦の最終戦で、ダブルスとしてコートに立つ森薗がいた。前日の専大戦で両足がつり、ダブルスの試合途中で棄権を強いられた。チームも7連覇がついえた。「あの満身創痍(そうい)の状態で出してもいいことは何もない」と、髙山幸信監督は森薗の起用に消極的だった。しかし「もう1試合だけ出させてください」と監督に直訴。世界選手権を前にした最後の試合で、春リーグを通じて不調だったレシーブの状態を戻しにいった。「チキータは今大会通じてかなり良かった。最終戦で良い感覚でできたのは大きかった」(森薗)。強行出場から結果を生んでみせた。
中国との差は確実に縮まっている。「本当に少しの差」(森薗)。今大会決勝、全ゲームで9ポイント以上を奪ったがあと一歩で落とす場面が目立った。「ペアリングの力は僕らが世界一という自信はある。負けるとしたら個々の能力と勝負どころでのひらめき」(森薗)。金の壁はスコアよりも薄かった。2年後、同じ舞台で借りを返す。【木村亮】
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