タクト振るう怪物 梶村
怪物が真価を見せる。今年からBKリーダーとして、プレーのみならず練習からチームを引っ張る左センター梶村祐介(政経3=報徳学園)。強靭(きょうじん)なフィジカルを生かした突破力は健在だが、今年はパスに重きを置いている。
自覚再認
3年生ながらゲームキャプテンを任された。慶応戦と帝京大戦の後半、兵頭水軍(農4=仙台育英)から交代する形での指名。「チームを勝たせないといけない存在になる。3年生でゲームリーダーであることにプレッシャーも感じる」。普段は緊張しない性分だが、チームを背負う責任は背中に重くのしかかった。それでも、冷静な判断で勝利を手にした。慶応戦の後半35分、14―29の土壇場で仲間のPG選択にゴーサインを出した。コーチ陣はトライを指示したが、仲間の声を優先。結果は31―29のわずか2点差での逆転勝利となった。「結果的にいい判断だった」と丹羽政彦監督(平3文卒)も称賛。「これからの試合で僕が判断する場面が増えると思う」と中心選手としての自覚が一層強まった。
休日返上
7日間をラグビーのために費やす努力家だ。夏の長野県菅平合宿後に、神奈川県にあるトップリーガーも利用するトレーニング場に通い始めた。週1回、オフの月曜日を返上しての下半身強化。疲労が蓄積する試合終盤のフィットネス向上が目的だ。「強いチームは負けているチームよりも何か多くしている。負けている身だから何かをしないと」。まだ始めて間もないが「後半のパフォーマンスがいい」と成果を実感している。全ては勝利を手にするため、唯一の休日もラグビーのために使う。
3年目の明早戦は一味違う。「1年の時はチャレンジャーだから思い切りできた」。しかし今年は、トイメンに186㌢・100㌔の大型ルーキーが当たり、挑戦者を迎える立場になった。下級生だった今までと違い、上級生として挑む3回目の伝統戦。明治の怪物が秩父宮のグラウンドを荒らし回る。
【長谷川千華】
関連記事
RELATED ENTRIES