昨秋2部降格危機から9戦無敗の大逆襲 114季ぶり優勝

2016.06.08

 最終戦で駿河台大に勝ち、関東学生リーグ57年ぶりの優勝を決めた。昨秋は下から2番目の9位に終わり入替戦を経験。今季はチャレンジャー精神を全面にぶつけ、全学年の選手の力で優勝を手繰り寄せた。
歓喜
 歴史を塗り替えた瞬間、歓喜の声が上がった。57年待ち望んだ栄冠。「泣きそう。本当にうれしい」(吉野樹主将・政経4=千葉県私立市川)。昨年は悔しい思いをした。秋のリーグ戦で入替戦に回り、残留は決めるもインカレは初戦敗退。悔しさの分だけ、喜びの大きさも格別だった。
 一枚岩のチームだった。「キャプテンが樹さんじゃなかったら優勝できなかった」(飛知和龍哉・営3=法政二)。得点王に輝いた吉野。その吉野を中心に最上級生が、戦うチームをつくった。例年、4年生は就職活動で練習を積まないまま試合に出ていた。しかし、今年は変えた。練習不足の選手はベンチに入らず下級生が試合に出る。勝つための最善を選んだ。表彰された5選手のうち4人は3年生以下だった。
 一方で4年生もできる限りチームに尽くした。3月の合宿には、4年生が異例の全員参加。忙しい中でチーム力向上に時間を割いた。「雰囲気よくやってこられて、一致団結できたのが優勝につながった」と吉野。チームの団結力はここ数年にないほど強かった。
強み
 戦術面ではディフェンスの大切さを再確認した。今年はシュート後の帰陣の早さを徹底。それだけでなく体も鍛えた。大きければその分相手のシュートが当たりやすい。ウエートで体を一回り大きくした今季は昨季より総失点が約30点減少。戻りのディフェンスがチームカラーになった。
秋は追われる立場に変わる。秋季リーグ戦、インカレでチームの真価が問われる。「これからもチャレンジャー精神でやっていきたい」(吉野)。114季ぶりの優勝がまぐれとは言わせない。
【吉田周平】