坂本 開幕1軍へ
甲子園の本塁は俺が守るんや! 坂本誠志郎主将(文4=履正社)が阪神タイガースから2位指名を受けた。明大では1999年の的場直樹氏(平12文卒)以来16年ぶりに捕手が指名されたこととなる。大学球界屈指、人間性も抜群の名捕手が念願のプロ入りを決めた。
屈指の捕手
その指名に一番の歓声が起きた。「正直思っている以上の高い評価をしていただいてうれしい」。阪神から2位、今年のドラフトで最初の捕手指名。本人も驚きの表情のまま善波達也監督と握手を交わし、笑顔が広がった。今年のアマナンバーワン捕手だ。坂本は1年秋から正捕手として活躍。武器は投手の良さを引き出し、相手打者に的を絞らせないリード。大学生捕手としてはずぬけた能力だ。「捕手らしく冷静で、洞察力がある」と金本知憲監督。加えて明大主将、大学日本代表でも主将を務めた抜群の統率力も長所だ。プレーに加え、井上崇通部長が「歴代の主将の中でも群を抜いたものがある」と絶賛した人間性も評価されての指名となった。
意識の変化
プロを意識した取り組みを続けてきた。昨年のドラフト会議後「自分の知っている人がプロに行って、自分も行きたい思いが強くなった」。さらにさまざまな話を聞く中で「プロは何も言われなくても自分でやれる選手でないと無理な世界」と学んだ。今年の春季リーグ戦後からは、自ら弱点を見つけ解消することを今まで以上に強く意識。特に課題の打撃面では自分のいい感覚を理解し、うまくいかない日もその感覚に近づくまで振り続けた。それでも「まだ足りない部分がある」。金本監督が望む「打てる捕手」を目指し、今なお取り組みを続ける。苦手を克服して入団に臨む覚悟だ。縁のチームで正捕手を目指す。地元が兵庫県の坂本は小さいころ、阪神ファンの祖父母の影響で、阪神の試合を見ていた。「プロ入りして阪神なので家族に恩返ししたい」とお世話になった存在への思いを語る。また当時の捕手は来季からコーチに就任が報じられている矢野燿大氏。「矢野さんはずっと試合に出ていた。自分も必要とされる存在でありたい。もし指導される機会があれば矢野さんからどんどん吸収したい」と意欲的だ。「捕手は経験がものをいう。1軍でどれだけ経験を積み重ねていけるか」。早期の1軍定着でプロの捕手としてのいろはを学び、近い将来は虎の司令塔になってみせる。
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